第7章「これが視点だ!」プロローグつづき

文字数 982文字

0.「中に立ち入らない作者」視点 ※別名:カメラアイ

1.一人称視点(主人公の)
2.一人称視点(主人公以外の)

3.三人称視点(主人公の)
4.三人称視点(主人公以外の)

5.「中に立ち入る作者」視点 ※別名:神視点

mimura_akira

前のページで挙げた、「使える視点6パターン」です。

タイプ0(ゼロ)は、そもそも「視点人物」がいない書きかたです。
どのキャラクターの心の中にも入りません(入れません)。
あくまで外から、出来事を記述するだけです。
ル=グウィンさんは「別名:壁のハエ」とも命名なさってますけど(笑)、「カメラアイ」のほうがわかりやすいと思います。

タイプ1からタイプ4までが、小説内のある一人のキャラクターを「視点人物」とする書きかたです。
つまり、
地の文=特定のキャラクターの考えたり経験したりする内容、となる書きかたです。

そしてタイプ5は、キャラクターの全員が「視点人物」になり得るという書きかたです。
つまり、
0とは逆に、どのキャラクターの心の中にも自由自在に入れちゃうのです。

『ル=グウィンの小説教室』では、タイプ5の「神視点」語りについて、

「神話・伝説・民話はすべて、子ども向けのお話もすべて、それと、1915年くらいまでに書かれた小説のほとんどと、それ以後に書かれた小説の多くは、この『中に立ち入る作者』視点で書かれています」

と説明されています。
円グラフで言ったら……
ほとんどぐるっとこのタイプ5で占められている感じでしょうか?

「じゃあタイプ5から説明すれば?」
「もうタイプ5だけでよくない?」
という声も聞こえてきそうですが……
けっきょくタイプ5って、
タイプ0~4の「全部乗せ」なんですよね。

なので、タイプ0~4を、順を追ってマスターしていくと、
最終的にタイプ5もマスターできる、というね。
あ、これ、「難易度の順」ではないです。
ゼロがいちばん簡単で、1から5へと難しくなっていく、ということではぜんぜんないです。
どれを易しく、どれを難しく感じるかは、ほんと人それぞれなので。

(ヒツジの別のエッセイ「地の文、『私』で書くか『彼女』で書くか」にも書きましたが、
とくに「一人称を易しく感じるか難しく感じるか」は完全に人それぞれなので!)
前置きが長くなっちゃってごめんなさい。

次のページからいよいよ、ル=グウィンさんの例文を参考にして、6つのタイプを具体的に見ていきたいと思います。

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登場人物紹介

ミミュラ


このコラボノベルの管理人。ときどきアマビエに変身する。

アーシュラ・K・ル=グウィンをこよなく慕い、勝手に師と仰いでいる。

ヒツジのくせに眠るのが下手。へんな時間に起きてしまったり寝てしまったりする。

犬派か猫派かでいったら、犬派。(←ヒツジだけにお犬さま方にはつねづねお世話になってます(^^ゞ)

たい焼きは頭から、チョココロネは太いほうから食べる派。

ミニャノ

管理人に「眠り下手仲間」のよしみで誘われ、このコラボに参加することになった紀州犬。と言っても紀州には何のゆかりもなく、出身は相州鎌倉。現在、台湾台北に生息中。

「鳩サブレー」は頭からでも尾からでもなく、袋の状態のまま、指でぶちぶち潰してから食べる派。

日本語と中国語の間をふらふら往き来する人生ボケ担当大臣(自称)。ときどき別形態になるんだって。

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