もぐもぐ(反芻)タイム:視点の「切り替え」について

文字数 2,037文字

第8章への橋渡しにもなりますが、

「視点の切り替え」について、ル=グウィンさんからメッセージです。

〈視点の切り替えについて〉

 うるさいことを書いてしまいますけど、なぜかと言うと、ワークショップの課題作文(だけでなく、出版された本でもね)を見ていていちばん問題が多いのは、この「視点の切り替え」に関してだと思うからなのです。つまり、ポリシーもなく、どんどん視点を切り替えてしまうことの問題。
(中略)

 書く人がちゃんと意識してうまく書かないかぎり、視点がたびたび切り替わると、そのたびに読者はグイッと突き飛ばされたり引き戻されたりします。
 次から次へと、ぜんぜん違う人間の心の中に突き落とされたり、また引きずり出されたりします。
 感情移入の体験も、ストーリーの理解も、わやくちゃにされます。 

mimura_akira

 この章(第7章)で挙げた5パターンの(だから6パターンだってば!笑byヒツジ)視点の、どれからどれへ切り替えるのも、危険な行為です。

 一人称から三人称へ切り替えるのも、「中に立ち入らない」作者から「立ち入る」作者に切り替えるのも、重大な切り替えになります。

 三人称一元視点(ある特定のキャラクターの内面だけをのぞくこと。byヒツジ)どうしの切り替えにも、同じくらい注意が必要です。

 つまり、あるキャラクターの視点から別のキャラクターの視点に切り替えること。

 作者は、

・どこで、誰から誰へ、視点人物を切り替えているか、
・なぜ替える必要があるのか、
しっかり把握し、完璧にコントロールする必要があります。

 無意識のうちにうっかり視点人物が替わっていた、などというのではだめなのです。(太字byヒツジ)

 いま言ったこと、本当はもう一度くりかえしてぜんぶ言いたいのですけど、それはさすがに失礼よね。
 だから、ぜひ、あなたがもう一度読んでくださいね!

(『ル=グウィンの小説教室』第7章より)

mimura_akira

最後が可愛い。笑

(小声で)
ヒツジも、読んでいて、視点人物がどんどんどんどん変わるからついていけない……(泣)と思ってリタイアしたこと何度もあります。

なんか乗り物酔いみたいになっちゃうんですよね。

だけど逆に、小説賞の講評なんかを見ると、「視点が切り替わっている」と褒められていたり、逆に視点の切り替えがないとバカにされたりしていて、そういうのがいまの流行なんだなあと思います。
アニメーションは、どんどん視点が替わってオッケーですからね。
それのノベライズの感覚なんだろうなと思います。

ル=グウィンさんや私みたいに「視点をつぎつぎ変えられると読者は悪酔いする」なんていう感性じたい、時代遅れなのかも?
でも、切り替えるにしろ、替えないにしろ、そのすべてをコントロールするというのがポイントですよね。
これ成功すると、「どや」感ハンパないですよ!
こんな感じ。キラーン
(小声で)
じつは、3や4の「三人称一元視点」をつぎつぎ切り替えていくと、
5の「神視点」、別名「三人称多元視点」になりますよね。
←小声なのに太字
なりませんか??

(ル=グウィンさんはそういう分けかたはしてないですけど。)

だから「三人称一元視点をつぎつぎ切り替えるさいの危険」は、そのまま
「神視点(三人称多元視点)の危険」なんですね。
べつに神視点が古いとかいけないとかではなく、
よく知ってうまく使いこなしましょうってことですね!
この章は……
ル=グウィンがエクササイズをみんなやってくださったので、ミミュラはやりません。
ずるーい!←セルフつっこみ

こっそり、自分だけでやっておこうと思います。^^
ご参考になりそうなのが書けたら、こっそりご披露するかもしれません。テヘ☆彡
つけたし……もう少しやさしめのエクササイズ。
 あなたの本棚から、愛読書を何冊か出してきましょう。短編のアンソロジーもいいですね。作品をいくつか、できるだけ広い時代にまたがるように選んでください。
 そして、視点は(上記の6パターンの)どれか、視点人物は誰か、特定してみましょう。
 途中で視点が替わっているでしょうか。どこで替わっていますか? 何度替わっていますか?

mimura_akira

これならできそう!
いま源平サーガの本をいろいろ読んでるのですが、気をつけて誰視点かチェックしながら読み進めると面白いです。
しばらく源氏側で読んでいて、追ってくる敵が平家で「平家怖い」ってドキドキしてたんだけど、こんど平家側に切り替わったら180度ひっくりかえって「源氏怖えええ(泣)」!
あたりまえだけど改めて意識してみたら、より楽しめることを発見しました。
えー、その後、
エクササイズ、やりました。テヘ☆彡

「視点を切り替える練習」として、ショートストーリーを1編書きました。
「いま視点人物だれ?」と当てながら読むと楽しめるようになっています。
エッセイ「地の文、『私』で書くか『彼女』で書くか」の「付録」にしました。
このページから始まります。↓

「地の文、『私』で書くか『彼女』で書くか」 付録のまえおき

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登場人物紹介

ミミュラ


このコラボノベルの管理人。ときどきアマビエに変身する。

アーシュラ・K・ル=グウィンをこよなく慕い、勝手に師と仰いでいる。

ヒツジのくせに眠るのが下手。へんな時間に起きてしまったり寝てしまったりする。

犬派か猫派かでいったら、犬派。(←ヒツジだけにお犬さま方にはつねづねお世話になってます(^^ゞ)

たい焼きは頭から、チョココロネは太いほうから食べる派。

ミニャノ

管理人に「眠り下手仲間」のよしみで誘われ、このコラボに参加することになった紀州犬。と言っても紀州には何のゆかりもなく、出身は相州鎌倉。現在、台湾台北に生息中。

「鳩サブレー」は頭からでも尾からでもなく、袋の状態のまま、指でぶちぶち潰してから食べる派。

日本語と中国語の間をふらふら往き来する人生ボケ担当大臣(自称)。ときどき別形態になるんだって。

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