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文字数 283文字

 その夜は、悔しさから眠ることができなかった。

 ただ、フォークダンスで、ユウコと踊っているとき、

「この間のこと、ケイコちゃん楽しかったって、また、いきたいっていいよったよ」

 とさりげなくいわれて、オレは意外な気がした。

 オレはガチャコと二人きりでいるときも、ろくろく話もしなかったし、ガチャコはてっきりつまらなかっただろうと思っていたのだ。

 この言葉が、眠りにつこうとすると、頭によみがえり、なぜか嬉しいような甘酸っぱい気持ちになり、悔しかったリレーのことが忘れられるのだ。

 オレはフォークダンスで手をつないだときの、ガチャコの小さな手のぬくもりを、思い出していた。



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