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文字数 401文字

 オレたちは一斉に夜空をあおいだ。

 しかし、オレたちの目にはUFOが見えない。

「UFOを見るには、やっぱりオマエらには、まだちょっと早すぎたかもしれん。まあ、今から何回もここにきて見よったら、やがてそのよこしまな心が無くなって、そのときには見えるはずやけん、それまでしんぼうして待ちよけや」

 飲んべヤスはそういうと、缶ビールを持ったままイスの上で眠りはじめた。

「もう、おんちゃん、ここで寝たらいかんちや、寒いけん風邪ひくぜ」

 そういってユウコが、飲んべヤスを揺り動かすが、起きる気配がない。

 ユウコが下から毛布を持ってきて、飲んべヤスにかけた。

 オレたちは、飲んべヤスをそのままにして、帰ることにした。

「やっぱ、おんちゃんのホラ話やったがやね、ゴメンね、せっかくきてもろうたがに」

「そんなことないちや、あんなすごい夜空見ただけで十分、楽しかったけん」

 ガチャコがそういって、落ち込むユウコをなぐさめた。
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