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文字数 450文字

 駅伝大会の日がやってきた。

 こんなしょぼい大会でも、一応開会式なるセレモニーがあって、教育長の長い挨拶を聞かされた。いつも思うのだが、学校の朝礼のときの校長の話や長の付く人の話は、つまらないし長い。

 コースは、町道を走り、七百五十メートル先に折り返し地点があり、そこまでいって帰ってくる。行きは軽いくだりで、帰りは逆にのぼりになる。

 オレたちのチームの順番は次の通り。

 一番目がオレで、二番目がガチャコ、三番目がコウタロウで、四番目がユウコ、最後はタッチン。

 どうしても最後を走りたいとのタッチンの希望で、アンカーはタッチンに決まり。

 まあこのメンバーの中では、タッチンが一番速いからタッチンの希望をかなえてあげた。

 タッチンは、ゴールしたときに、テープを切りたいと思っていた。なぜなら、毎年その姿が町のコウホウシにのることを知っているから、希望したのだ。

 タッチンは、ゴールに駆け込むとき、余裕の感じでピースサインをして決めてやろうとひそかに思っていた。タッチンは、けっこう目立ちたがり屋なのだ。

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