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文字数 360文字

 ユウコは走り出して百メートもしないうちに、タカコに抜かれた。折り返しまではなんとかくらいついていったが、後半ばてたユウコは最終的にタカコに五十メートルほど離されて、タッチンにタスキを渡した。

 もうオレたちは、これまでだと思った。いくらタッチンが金のためだと必死になっても、この差ならケンゴには勝てない。

 タッチンは、いつものようにハイペースで飛び出した。

 ケンゴは、最初はおさえ気味に走っている。

 折り返し地点まできたとき、二人の差は二十メートルほどにつまっていた。

 さすがにそれがわかったケンゴは、折り返しを過ぎてからペースをあげた。

 しかし、今日のタッチンは何かにつかれたようにがむしゃらに走り、ペースダウンもしない。

 ケンゴは、残り二百メートルまできたとき、背後から猛スピードで追ってくるタッチンの気配を感じた。
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