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文字数 425文字

 放課後の教室で、ユウコから、

「今度の日曜日、ハナノサキ公園にあそびにいかん? ケイコちゃんとコウタロウ君もさそうけん、ええろう?」

 といわれた。

 コウタロウというのは、ミナモノヨツヤナギというバカみたいに長い姓の同級生で、オレはあまり好きな奴ではない。

 コウタロウは、二歳上の姉ちゃんの影響で、グループ・サウンズをよく聞いていて、それを教室で自慢するキザな奴だ。

 家が薬局をしており、金持ちの子だから、オレとは合わない。

 シンヤはオレたち貧乏人をバカにしなかったから、金持ちでも仲が良かったけど、コウタロウのように、金持ちを自慢する奴は嫌いだ。

 コウタロウは、ちょっとばかりハンサムで背が高くて頭がいいからって、いい気になっている。しかも、ザ・テンプターズのショーケンのまねをして長髪にしている。

 この頃の田舎のガキは短い髪が主流だったので、女みたいに髪を伸ばしているコウタロウを男子はバカにしていたが、ユウコをはじめ一部の女の子には人気があった。

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