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文字数 467文字

 コウタロウがガチャコからタスキを受け取ったとき、ミチコとの差が三十メートルくらい開いていた。

 オレはコウタロウに「最初っから飛ばしたら後でばてるけん、自分のペースで走れ!」と声をかけた。

 コウタロウは、まかしちょけといったふうに右手をあげて走っていった。

 コウタロウは、オレのアドバイスを無視して最初っからハイペースで走った。

 折り返しを過ぎた頃から、急にペースダウンして、けっこうあいていた距離をヨッチャンにどんどんつめられている。

 最後の直線になって、まったく余裕のなくなったコウタロウが、必死の形相で走っている。

 いつもキザにかまえてオレたちを見下しているコウタロウが、今にも倒れそうになりながら苦しそうに走っている姿に、オレはちょっと感動した。コウタロウが、チームのためになりふりかまわず走っているのが、伝わってきたからだ。

 ヨッチャンとほぼ同時くらいになって、ユウコにタスキを渡した。

 ユウコはあおい顔をしてスタートした。六年のタカコが相手だから、緊張するのはしかたない。ここで、ユウコがタカコに離されると、挽回は難しい。
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