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文字数 366文字

 オレは意識しないようにと、ガチャコに今までと同じような感じで声をかけていた。

 しかし、以前のようにバカ話ができない。ガチャコがはずかしそうなそぶりを見せると、オレの方もつられて恥ずかしくなってしまうのだ。

 髪を伸ばしてイメージチェンジしたガチャコはかわいらしくなった。いや、もともとかわいい顔をしていたのだが、性格が男の子みたいだったから気づかなかったのだ。

 ガチャコはいつもズボンをはいていたが、五年生になってからはスカートしかはかなくなった。

 ガチャコがすっかり変わってしまったことに、オレたちはとまどった。

 ガチャコと呼ぶこともためらわれるようになったが、オレたちはあいかわらずガチャコと呼んでいた。

 しかし、ガチャコが大人しくなったように感じるのは見かけだけで、たぶん怒らすとそこらの弱っちい男の子よりケンカは強いはずだ。


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