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文字数 364文字

 ユウコは、飲んべヤスが殺されたことが信じられないと、泣いていた。

 ユウコにとって飲んべヤスは、誰よりも優しいおじさんだった。

「どうして、ヤスオおんちゃんが殺されんといかんがやろうか」

 飲んべヤスが殺されて、数日が過ぎてもまだ信じられないといっていた。

 オレも、仲良くなった飲んべヤスが、突然この世からいなくなったことが、信じられない思いだった。

 オレは、天体望遠鏡をながめていたとき、

「今度生まれるときは、どの星に生まれるろうかと考えよったら、わくわくするがよや」

 といった飲んべヤスの言葉を思い出した。

 夜空を見上げていると、満天の星のどこかに、飲んべヤスが生まれ変わっているのかもしれないと思うことがある。

 その星で、ガウンを着てクラシック音楽を聴きながら酒を飲んでいる、そんな飲んべヤスの姿が夜空の中で浮かんでは消えた。
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