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文字数 364文字

 スターターがピストルを鳴らした。

 オレたちは一斉にスタートした。アキラが最初から飛ばして先頭に立った。オレはアキラに離されないよう、すぐ後ろについていった。

 まだ三百メートルもこないうちに、オレ以外のランナーは遅れていった。

 オレはアキラが速いペースで走っているのがわかっていたが、折り返し地点くらいできっとばてるとよんでいた。

 しかし、今日のアキラは折り返しを過ぎても、ばてない。オレは内心、おかしいと思いながらも、必死にアキラの後をぴったりとついていった。

 オレたちよりはるかに遅れた他校のランナーとすれ違う。

 町道の両側には、農作業の手を止めて応援するじいちゃんやばあちゃんの姿が見える。

 残り三百メートルくらいになって、アキラの走りが苦しそうになった。アキラの荒い息づかいが聞こえる。

 ラスト百メートルの直線になった。

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