第二十七話、喫茶店の捜査会議
文字数 2,180文字
市内の喫茶店で、イーサンとエドワード、それから、ブライアン・フロストとシャロン・ザヤットの計四人が集まっていた。
ブライアン・フロストがいった。第九分室が使えないため、定期的に場所を変え報告を受けている。
イーサンが答えた。
吸血鬼には、身体能力が高い血筋や、魔力が強い血筋など、いくつかの血筋がある。
「第四分室が下水道内を捜索したようだが、デリヌ通り周辺の下水で痕跡が途絶えたそうだ。代わりに別の吸血鬼の痕跡を見つけた。そっちの方も追っている。第七分室は、不動産関係を調べている。今のところ、ポーラ・リドゲードが関わっている怪しい建物は出てきていない」
吸血鬼一人につき、年間の吸血犠牲者は二十人程度、疫病が流行ると万単位の人間が死ぬ。
イーサンは顔をしかめた。
顔をしかめた。
ジム・ハモンドはマンションに突入した戦術班で唯一生き残った人間である。
ブライアン・フロストは警戒した様子を見せた。
眉をひそめた。
ブライアン・フロストは、シャロン・ザヤットの方を見た。
「使い魔に関して私は詳しくないけど、少なくても人間にそんな芸当はできないわ。使い魔なんて、召喚するだけで、ひと苦労だし、操れても短時間だけよ。でも、吸血鬼の場合は、持ってる魔力の量が違うから、長時間維持できるかもしれないわね」
人間の尺度ではわからないわ。シャロン・ザヤットは付け加えた。
「感覚共有という魔術で、使い魔の五感を術者が共有することができる。入院中のジム・ハモンドの部屋に、小型の使い魔を潜ませておけば、様々な情報を収集することができる。たとえば、第七室所属のジム・ハモンドの知り合いが、見舞いに来た可能性も考えられる」
「毒ガスが蔓延した部屋で、ジム・ハモンドのみ、生き残ったことも引っかかる。使い魔をジム・ハモンドに潜ませておけば、ジム・ハモンドの行方を知ることができる。使い魔の位置を知るのは、感覚共有より、もっと簡単だ」
ブライアン・フロストはイーサンの首元を指さした。イーサンの首には銀色の首輪がかけられている。
苦々しい表情を見せた。
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