第七話、老婦人の家
文字数 1,511文字
イーサンとエドワードがミグラス市警殺人課を尋ねると、トム・ターナーは疲れた顔をしながら迎えた。
イーサンはチャック・ケードの事件について話した。
エドワードは不快そうな顔をしながらいった。
トム・ターナーは特に動じた様子もなく言った。
トム・ターナーは疲れた表情でディスクを見た。書類が山積みになっていた。
該当する行方不明者が三件ほど見つかった。うち一件は、十六歳の少女で二つ上のボーイフレンドの家にいることがわかった。家族の元に連れて帰ると泣いて感謝された。他の二件は、どちらも老人だった。
そのうちの一件、チャック・ケードが殺された橋から、一キロほど離れた住宅で一人暮らしをしていたエレン・フィッシャーという名の八十一歳の老女の家に二人は向かっていた。
家族はおらず、親戚から捜索願が出されていた。郵便がたまっているのを見て、近所の人間が役所に相談し、役所が親戚に連絡した。五月の初めのころである。
イーサンは白い髪をかきながら言った。
エドワードは少し笑いながら言った。イーサンは九百年間吸血鬼をやっていた。
エドワードは驚いた表情をした。
薄汚い通りだった。たばこの吸い殻、紙くず、空き瓶、ゴミが道の端にたまっていた。白い石造りの小さな家だけは不思議と澄んでいた。
行方不明の老人であるエレン・フィッシャーの家である。夫のヘンリー・フィッシャーは十年前に亡くなっている。以来一人暮らしである。
エドワードは辺りを見ながら言った。庭の樹木や雑草は生い茂っていたが、二階建ての白い家は品があった。
エドワードは眉をひそめた。
鍵を開け家の中に入った。
時々、エレン夫人の親戚が様子を見に来ているらしく、家の中は、それほど汚れていなかった。
二手に分かれた。
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