第十二話、銃口
文字数 1,415文字
ビル・カークランドは無線機を使って部下と連絡をとっていた。
不動産屋を通じて、屋敷の間取りは手に入れたが、地下室の入り口は記入されていなかった。
ビル・カークランドを先頭に中央の部屋に向かった。
中央の部屋の扉を蹴破り、ビル・カークランドと部下二名が中になだれ込んだ。
長テーブルがあり、部屋の側面には薬品棚があった。テーブルの上にはフラスコなど実験道具が多数あった。ビル・カークランドとその部下は、部屋の中の収納棚の扉を開き、人がいないか確認したが誰もいなかった。電球のスイッチを探し押してみたが、電力が落ちているのか、つかなかった。ビル・カークランドと部下は地下の扉が無いか床を探した。
イーサンとエドワードは部屋の外でその様子を眺めていた。
エドワードは杭うち銃を見せた。
エドワードは廊下の先の暗闇になにかいるような気がした。懐中電灯をそこへ向ける。廊下の曲がり角に人の足のような物が見え、すぐに引っ込んだ。
イーサンがエドワードに体当たりした。
その直後、銃声と火花が散った。
イーサンとエドワードはビル・カークランドがいる部屋の中に転がり込んだ。
ビル・カークランドは無線機を使って部下に指示を出した。窓ガラスが割れる音がする。
エドワードは杭うち銃を握りしめながら言った。
イーサンは少しきつめの口調で言った。
ジェフリー・グレンは、暗闇の中、ショットガンを手に、辺りの様子をうかがっていた。人間のおよその位置はわかる。実験室に数人、家の外にも何人かいるようだ。囲まれている。下水溝もふさがれている。
外には太陽、逃げ場は無さそうだった。
日が落ちるまで戦うか。
日が落ちるまで、五時間はある。
銃があり、吸血鬼の生命力があるとはいえ、昼間、しかも弱っている体では、限界がある。
しかも、壁に穴を開けるような音が家のあちこちからしていた。おそらく、家の壁を壊し日の光を取り入れようとしているのだろう。
屋敷内に光が入れば終わりだ。日に焼かれて死ぬか、銃で撃たれ動けなくなったところを日で焼かれるか、それぐらいしか選択肢は無い。
永遠の命のはずが、人の寿命より短く尽きてしまう。何とかならないものかと頭をかきむしる。
一つ、アイデアが思い浮かんだ。
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