第25話:甘太の昔話と孫達へアドバイス1

文字数 1,229文字

「ここらなら自転車があれば、観光地にも直ぐ行けますねと寛一と奥さんが笑いながら言った」
「私達も住みたいなと、うらやましそうに窓からの景色を眺めた」
「すると寛太がソニーは給料が良いから多額の預貯金を貯めたのだろうと聞くとまーねと答えた」
「それでも、しょせんサラリーマン1千万円程だと答えた」

 俺も父の様に土地の売買や株で儲けられれば良いが、そんな金も度胸もないと笑いながら言った。その話を聞いていた奥さんが、私達は,ウサギとカメの亀さんで、いきましょうねと言った。すると甘太が、私達は、ウサギさんという訳か言い笑った。

 そして、今迄の事を思い出すように俺は、茂田さんという凄い人に出会って人生の生き方を教えてもらったと静かに話した。
「具体的にはと寛一が聞くので、俺は、中学を出て地元の大人や姉の旅館の手伝いをして日銭を稼いだ」
 そんな時、俺と同じ様な境遇の茂田先輩に出会った。

「彼が、自分の運命に逆らうように、じっと我慢しながら生きてる姿を見た」
「早朝、新聞配達をして学校へ行き帰って来てからの家の仕事を終えた」
「そして、遅くまで勉強し。その努力を重ねて高校を出た」
「その後、働きながら、八王子の中央大学の夜間部に入り経済の勉強をしっかりした」
「これからは経済の時代だと言い地元の有力者の手伝いをしながら政治の動きを注視していた」

「その後、橋本に、京王線が来るかも知れないというのを政治家の集まりで,小耳にはさんだ」
「そのため5年前から橋本駅周辺の土地の所有者の情報を集めた」
「そして手放しそうな家を数軒さがし土地の値段が上がる前に駅周辺300mに的を絞った」
「そのために仲間の不動産屋、サラリーマンなど20人を束ね投資の仲間を作った」

「その後。金を貯めて、積極的に株投資を始めた」
「自分は証券会社に入り両親の名義の証券口座を作り株で儲け始めた」。
「数年で、茂田グループを含めて1億円を超える資金をつくった」
「橋本駅近くの広い土地を多額の現金で買い集めた」

「その後、予想通り京王線が開通が決まると、土地の値段が5から6倍に跳ね上がった」
「上手い具合に駅近くの大型商店が入るビルを建てる土地を買っていた」
「そのため直ぐ、高い金額で、売れ、資金を増やした」
「その後は、ちょうど日本の高度成長期となり。株で10億円以上の資金をつくった」

「2008年のリーマンショクで売りが出たみなとみらいのマンションを買った」
「という訳さと、今迄の経緯を話した」
「健一が、確かに昭和から平成の時代は,波乱万丈の時代であり、大変な時代だった」
「でも大きなチャンスもあった。しかし、これからは、大きなチャンスはのぞめない」

「小さなチャンスを一つずつ、着実にものにしていかないと富は決して得られないと言った」
「これに対して、甘太は、確かにそうかも知れない」
「でも、しっかりアンテナを張っている事、正確で正しい自分の考えを持つ事」
「チャンスと見たら,一気に、突き進む。勇気が必要だと諭した」
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