第6話:橋本駅から近いの土地、買収作戦1

文字数 1,307文字

 それでは、わかり次第、電話するよと答えて、失礼した。その足で、茂田の事務所に行くと、そりゃよくやったとほめてくれた。そして、茂田グループの中に不動産鑑定士の資格を持って、不動産屋の手伝いしてる安田君がいた。茂田が橫浜の駅と海辺から近いマンションを数軒探しておいてくれと指示して、5日後、8軒の物件を捜し出した。その後、甘太が、銀行関係の友人と不動産鑑定士を連れて行こうと思うが、いつ行ったら良いかと聞くと、1983年2月14日、明日10時頃に来て欲しいと言われた。

 それを伝えて、3人で、茂田が金持ちの友人のベンツを借りて、その算盤塾へ出かけた。そして、最初に不動産鑑定士が橫浜、桜木町、関内のマンションの物件のパンフレットを見せた。すると、良いわねと、食い入るように見入っていた。最初に、茂田が金融関係の仕事しています、茂田と申しますと挨拶し、続いて安田が、不動産関係の仕事をしてる安田と申しますと挨拶した。すると、一番、年上そうな女性が、安田さんは不動産鑑定士の免許お持ちですかと聞かれ、持ってますと答えた。

 すると、それは良かったと言った。そして、ここの土地はどの位の広さあるのと聞くと525坪とおばあさんが言い、1983年2月14日、午前10時に、茂田と甘太と不動産鑑定士の仲間と3人で、その算盤塾を訪問した。ここの土地、いくらで売れます金と聞かれ、ここは、橫浜線から近くて、電車の音がうるさいでしょと聞くと、まーねと言い、また、踏切が近くて、住むには、今ひとつですよねと続けると、でも駅が近いから便利で資産価値は高いと言った。

 それに対して、確かに、そうですが、ここの大きな家2軒と、広い、剣道場と算盤塾の家を壊すには、大金が必要ですよと安田が言った。そーそーなの、それが一番頭が痛いのよと言い、固定資産税も馬鹿にならないからと本音を語った。家付きじゃー、買い手がつかないでしょうと、安田が話すと、実はそうなのよと一番年上そうな、おばあさんが、こぼしていた。私が、死んだら、ここの処分に、困ると思うのと、それが一番心配なのよと本音を吐いた。

 すると、間髪を入れず、茂田が、どうですか坪10万円、全部で5250万円で、現状渡しで売りませんかと言うと、女達が、ざわついた。それを見て、安田が、家を壊し、2千万円、廃材の処分料金入れて、ざっくり言って、3千万円。もし、この土地の評価を坪15万円と換算して7875万円、更地にするのに、3000万円、差し引き4875万円となる。どうですか、5000万円で売って、橫浜のマンションを2つで賃貸で月10万円前後で借りると言うのはと提案した。

 それは、可能なのと聞かれ、私達が一肌、脱げばねと、告げた。でも、この話は、ここだけにして下さいねと言った。甘太が小さい頃から世話になっていて、何とかしてやって欲しいと言われたから、話しに来たのですからと言った。もし、この話をしても、近所の不動産屋や親戚は、もっと高く売れるのじゃないとか、損じゃないとか言うと思うけど、誰も、もっと良い条件で買うと言う人はいないはずですと、大きめの声できっぱりと言った。
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