第18話:京子さんのすごい過去と長女、幸子の出産

文字数 1,520文字

「うちは、幸いに娘の命が助かったが、近所では、介抱の甲斐もなく命を落とした子供達もいる」
「そう言うと、御両親が、その出来事を思い出し涙し、菅原夫妻もつられて涙を流した」
「それ程、北海道の自然は、厳しいのですねと言った」
「だから冬が明けると自然が命を吹き返したかのようになる」

「5月になると一斉に多くの花が競う様に競い合って咲くのですと語った」
「だから北海道の自然は厳しい分だけ良い季節は最高なのですと笑った」
「この話を聞いて、京子さんの逞しさが納得できた」
「その助かった子供さんはと聞くと、京子本人ですと言うと、驚いていた」

「彼女は、小学校に入っても家の手伝い学校の勉強も頑張りましてねと告げた」
「大学を出す金がないのを知って単身上京しアルバイトしながら勉強した」
「自分の金で国立の東京電気通信大学とか言う優秀な大学を卒業した」
「本当に偉い子なんですと言うと、彼女の母が、また、大粒の涙を流した」

「その姿を見て、菅原夫妻が、思わず、おかあさん本当にありがとうと述べた」
「タエさんが富子さんに、これから、京子さんを大事にしますから安心して下さいねと言った」
 北海道の牧場の話を聞いて、あっという間に2時間。その後、個室を出て握手をして黒岩夫妻と別れた。タエさんたちはホテルを後にして電車に乗って海老名の家へ帰った。

 風呂に入って、夕食後、ビールを飲みながら、幸一は、すごい嫁さんをもらったものだと話し、やがて床について眠りに落ちた。結婚式が終わり幸一夫婦が新婚旅行から帰って来て10月27,28日と、海老名の実家に来た。トラックを借りて幸一の荷物を載せて秋葉原へ引っ越していった。その後11月下旬に、箱根の温泉に行き、すすきや、高原の一足早い紅葉を眺めて温泉に入り2泊し海老名に帰ってきた。

 少しの間、2人きりの生活が続いたが12月15日、土曜日、長女の幸子が、大きなお腹を抱えて旦那の加藤秀夫君の運転するワゴン車で荷物を載せて帰って来た。幸子が指示して荷物を元の幸子の部屋に搬入。加藤秀夫君が、両親に、これから、お世話になりますので宜しくお願いしますと挨拶した。そして何かありましたら、直ぐ飛んできますと言った。

 それを聞いて、父の菅原肇が、スーパーマンでもあるまいし、飛んでは来られないだろうというと、4人で大笑いした。その後、一緒に夕食として寿司を5人前を取り食べると、思った通り、幸子の食欲はすごく、全部なくなった。その後、笑いながら、私だけが食べるんじゃないのよ、お腹の子と2人で一緒に食べてるのよと、笑いながら言うと、どうでも良いから元気な子を産んで下さいねと言った。

 加藤君は、帰った。12月になり海老名の近くの産婦人科病院に検診に幸子の両親もついていった。12月15日に入院するので父が運転する車で海老名産婦人科病院に入院。12月17日、菅原夫妻は、寝ようと思っても眠れずリビングで話していると男女の双子が生まれましたとの電話が入った。直ぐに病院に駆けつけると、お医者さんが、安全のため帝王切開で出産したと両親に説明した。

 つまり初産で子宮口の開きが悪く、母胎と子供の安全のために帝王切開を選んだと説明した。そのため傷口は痛いでしょうが、母子ともに健康ですと笑顔で言った。
「それを聞き、両親が、本当にありがとうございましたと深々と頭を下げた」
「1時間過ぎると幸子が痛いと言いながら目覚めた」

「双子が隣にいるのを確認すると笑顔になった」
「名前を何と、つけるのと父が聞くと、それどころじゃありません傷口が痛いと告げた」
「すると母が、幸子の頭を撫でると、幸子の目に、大粒の涙が浮かび流れた」
 その後、父が、そっと、ハンカチを渡した。
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