第2話:長男が厚木の電気店に就職

文字数 1,653文字

 その後、丹沢登山にも出かけた。しかし女性が3人いると縦走はできず、もっぱら、ハイキング程度で日帰りが多かった。
「夏、冷たい沢の水に足いれると、その気持ち良さと言ったら例え様もない」
「冬、七沢名物、ぼたん鍋で有名な宿に泊まり、菅原家の忘年会を開いた」
「寒さに縮んだ体が、熱い猪肉を食べると体の中心から熱気がこみ上げ最後に顔まで赤くなる」

 やがて1968年となり長男の幸一が平塚工業高校を受験し合格して家から自転車で30分で通いだした。この頃、長女の幸子が中学に入り、勉強のためと言ってラジカセを両親に買ってもらい英語の勉強をし始た。すると、直ぐ横に幸恵が来て一緒に聞いていた。洋楽も同じ様に、ちゃっかりと聞いていた。そして英語、数学の勉強も教えてもらい次女の幸恵は要領よく、お姉ちゃんを利用していた。その分、珈琲を入れたり、飲み物を持ってきたりサービスしていて仲良かった。

 長男は、高校で陸上部に入って中距離、長距離の選手になった。
「練習後の汗臭い体操着を見ると幸子と幸恵が鼻つまんで、臭いとからかった」
 幸一は工業高校に入ると日曜と夏休み、冬休み電機屋で壊れたラジオカセット、テレビ、ステレオ、電化製品の修理をした。そのため大抵の物は直せるようになった。そしてバイクの免許を取らせてと父に言い原付の免許を取った。

 高校2年のアルバイトで金をためで中古のホンダ・スーパーカブ50を手に入れた。その後もアルバイトを続け、忙しくしていて電機屋で引き取ったステレオをもらっては、バイクの荷台に載せて自宅に運び込み修理した。

「修理したステレオで流行の洋楽を聞き出すと、娘達が聞かせてと言い、素敵な洋楽を聞いた」
「この音楽を聞いた娘たちは、やっぱりステレオの音は、ひと味違うねと言い兄をおだてた」
「するとバイトの金で、洋楽レコードを買い、家のステレオで聞くと、娘達に大好評」

 その後1971年長男の幸一は高校を卒業して厚木の大手電機量販店に就職した。そして長女が県立厚木高校を受験して合格して、自転車で通い始めた。それを見ていた妹の幸恵が、私も厚木高校へ入ると宣言。勉強に力を入れ、中学に入ると、やがて学年トップの成績になり県立厚木高校に合格できる実力をつけた。

 夏休みには、お姉ちゃんと一緒に橫浜のアメリカンスクールの学園祭に行った。そこで米国人の女の子の友達ができた様で、その年の秋、米国人友人と一緒にYCAC「橫浜カントリー・アンド・アスレチッククラブ」へ出かけた。帰って来た日の夜、その話で、盛り上がる。

友達になった友人のお父さんが教会の牧師でYCACのメンバーになっていて食事代が無料だったと話した。その他、日本テニスの発祥のテニスクラブにも連れて行ってもらい、ラグビーの試合も観戦できたと興奮しながら説明した。

「そん話に、母のタエさんも参加し格好いい男の子はいなかったかとか、どんな男の子が好みなのかとか、夜遅くまで3人で、しゃべった」
長男も父も風呂に入って、直ぐに、寝てしまった。

 やがて1973年になり次女の幸恵も県立厚木高校を受験し合格し、3年生の姉と共に自転車で通い出した。1973年12月下旬、朝井さんから電話でソニー株上昇して、ここらが売り時だと思うので1600円で売りを出したらと言われた。

 そこで、翌日8時過ぎに証券会社の担当者にソニー株1600円で全株売り指示を出した。すると全株売れ税引き後利益が5500万円で残金が6000万円になったと連絡が入った。間違ないかと思わず聞くと株価100円が1600円に16倍になり株式分割で株数が1.95倍で39000株になった。

 更に3回の株式分割で1.95倍、両方で約32倍になったのだと教えてくれた。
「翌日、朝井さんが、食事をおごれと笑いながら言い、厚木の高級なステーキハウスに行った」
「ビギナーズラックというのは恐ろしい万馬券をとったみたいだと、朝井さんが豪快に笑った」
「手数料は食事代だけで良いからソニー株を買う様にした方が良いと言われた」
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