2022/5『神州無頼街』

文字数 879文字

 今回は、ネガティブな感想です。

 新感線であって、新感線ではない舞台。見終わってすぐの感想がこれでした。つまり、私が見るつもりだった新感線の舞台とはちょっと違っていたということです。主演のお二方以外は、がっつり私の見たかった新感線モードだったので、個人的には残念無念。主役の名演技を引き立てるのが脇役の演技と思っていましたが、脇役の名演技を引き立てるのも主役の演技なのだと気が付きました。「One for all All for one」なのです。木村了さんの渾身の芝居が、暖簾に腕押しなったシーンはあぜんとしました。主役といえども、受けの芝居は重要です、宮野真守さん。

 松雪泰子さんの美しい悪役、楽しみにしていたのに、がつんと来ない、何故?そうか、足りないのはやられる側の苦しみ、悲しみ、傷ついた姿。それが真に迫っていないと、悪役が引き立たちませんよ、福士蒼汰さん。やはり、残念無念。

 「今回は青年漫画」という演出のいのうえさんのコメントがあったそうで、確かにストーリーは「青年漫画」なのですが、主役二人は「コロコロコミック」としか思えない。「コロコロコミック」が面白い方にははまるかもしれませんが、私には面白くない。そういうことなので、主役に不安があるときは、新感線の舞台といえども行ってはならないと学ぶことができました。

 できれば、松雪さんが演じた麗波(うるは)と、高嶋政宏さんが演じた蛇蝎(だかつ)の過去のエピソードのお芝居が観たいです。久しぶりに登場した暗殺者集団のローラン族ネタですから。

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

出演:福士蒼汰 / 松雪泰子、高嶋政宏 / 粟根まこと、木村了、清水葉月 / 宮野真守 / 右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、武田浩二 / 藤家剛、川島弘之、工藤孝裕、菊地雄人、あきつ来野良、藤田修平、北川裕貴、下島一成、鈴木智久、山崎翔太、米花剛史、渡部又吁、小板奈央美、後藤祐香、鈴木奈苗、森加織

劇場: 東京建物 Brillia HALL
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