第8話 後の三条天皇(超子の子)生まれる

文字数 623文字

 そんな中でも、めでたくうれしい出来事があった。一の姫超子様が、男皇子(おとこみこ)をお産み遊ばしたのだ。朱雀院の第二皇子になられる。私の孫が帝になられる日が、本当に来るかもしれない。宿下(やどさ)がりされ、母子とも我が家にいらっしゃるので、毎日おかわいらしいお顔を見ることができる。どんな憂いも忘れ心休まること、限りがない。(後の三条天皇です)
 このころは、通い婚だから、長男道隆に生まれた姫君(後の定子です)や若君は、会えないし、抱っこすることもできない。孫なのに!!やはり、女の子産んだ孫は、いい!!

 わたしの三郎君は11歳、二の姫は19歳におなりだ。二人とも、今ではずいぶん落ち着いてこられたが、お小さいときは大変だった。
 三郎君が3歳になられたころ、それはもうやんちゃで、なかなかの毎日だった。高価な紙を、どこからか見つけ出してはびりびりに破いてしまわれるし、お皿や土器を投げて壊してしまわれるし、二の姫の貝合わせをバラバラにしたり、かじったり、失くしたり。。。
 二の姫のお気に入りの姫君を描いた貝が見つからなくなったときは大変だった。大泣きして何も食べなかったので、大慌てで慰め、気をそらし、譲っていただける方を探した。
 もう少し大きくなられたころ、二人ですごろく遊びに興じていると、しばらくは仲良く過ごしていらっしゃるのに、結局負けたほうの泣き声が響き渡り。。。
 とにかく、仲の良いご姉弟(きょうだい)でいらっしゃった。とほほ。それも、今では楽しい思い出となっている。



 
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登場人物紹介

時姫…彰子のおばあちゃん。摂津守藤原中正の娘。

   藤原兼家の妻。藤原道隆・藤原道兼・藤原道長・超子・詮子の母。

藤原兼家…彰子のおじいちゃん。

     藤原師輔の三男。兄は、伊尹と兼通。

詮子…時姫の次女。円融天皇の后。

   子供は一条天皇だけ。道長の姉。

   彰子の父方の伯母。夫の母でもある。

   

円融天皇…兼家の姉の安子の三男。村上天皇の第五皇子で、安子の三男。兄の朱雀天皇から譲位された。

     彰子の父方の大伯父(おじいちゃんのお姉さんの子)に当たる。夫の父でもある。

     子供は一条天皇だけ。后は、たくさんいる。

彰子…当分出てこないけど、三人目のヒロイン。

   藤原道長と源倫子の長女。

   一条天皇の妻。紫式部が女房として仕えた。

一条天皇…円融天皇と詮子の子。

     定子(清少納言が女房として仕えた)や詮子(紫式部が女房として仕えた)の夫。

     他にも、妻がいる。

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