第36話 彰子、お勉強する(長徳の変の事)

文字数 743文字

 定子様の兄君伊周様は、祖父兼家様に似たのか、多情なお方で、定子様や伊周様の母君高子様のほかにも、たくさんの思い人やお子様がおられました。

 その中のお一人に祖父兼家の異母弟に当たる藤原為光様の三の姫がいらっしゃった。花山天皇の女御となって亡くなり、花山天皇の出家の原因となった藤原忯子様の妹です。醍醐天皇の血を引く教養高く美しい姫君です。この姫君にすっかり心を奪われていた伊周様は、同じ屋敷にこっそり通う花山院の姿に驚かれます。てっきり三の姫を横取りされると思い込んだ伊周様は、秘める恋もなんのその、どうしたものかと同母弟の隆家様に相談し、花山院を待ち伏せして矢を射かけれたということです。実は、花山院の思い人は、四の姫だったそうで、伊周様の思い人とは違う方だったのです。。為光様の娘ご姉妹は、男君の身を狂わす運命にあるのでしょうか。

 この事件で、伊周様隆家さまご兄弟は左遷され、定子様は髪を切っておしまいになった。伊周様と隆家様は、遠くの国に左遷されてしまわれました。

 そんな中で一条帝の初めてのお子脩子内親王がお生まれになりました。



 このあとも、定子様に悲劇が襲います。一条帝は、そんな定子様をいっそう大事にされ、守ろうとされるのですが、お父上の道長様は、次々と非情な手を打たれたのです。



 まもなく、彰子様も一条帝の女御として入内されることとなるでしょう。きっと一条帝は、彰子様を大事にしてくださいます。定子様とも仲良くなさって、一条帝に仕え、かわいいやや子を授かられますよう、お励みなさいませ。



 ふうん。一条帝は、光の君のような素敵な皇子様なのね。そして、一条帝も、私のいとこなのね。親戚、いっぱいいるんだなあ。一条帝にお会いするのが、楽しみだわ。私と仲良くしてくれたらいいなあ。
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登場人物紹介

時姫…彰子のおばあちゃん。摂津守藤原中正の娘。

   藤原兼家の妻。藤原道隆・藤原道兼・藤原道長・超子・詮子の母。

藤原兼家…彰子のおじいちゃん。

     藤原師輔の三男。兄は、伊尹と兼通。

詮子…時姫の次女。円融天皇の后。

   子供は一条天皇だけ。道長の姉。

   彰子の父方の伯母。夫の母でもある。

   

円融天皇…兼家の姉の安子の三男。村上天皇の第五皇子で、安子の三男。兄の朱雀天皇から譲位された。

     彰子の父方の大伯父(おじいちゃんのお姉さんの子)に当たる。夫の父でもある。

     子供は一条天皇だけ。后は、たくさんいる。

彰子…当分出てこないけど、三人目のヒロイン。

   藤原道長と源倫子の長女。

   一条天皇の妻。紫式部が女房として仕えた。

一条天皇…円融天皇と詮子の子。

     定子(清少納言が女房として仕えた)や詮子(紫式部が女房として仕えた)の夫。

     他にも、妻がいる。

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