第32話:甘い、さつまいも、紅はるかの製品販売へ

文字数 1,384文字

 2008年9月下旬に、三郎は、元気だったが、今年80歳を迎えるので店を任せている次男の成東繁と三男の成東徹と会議を開いた。議題は、成東食堂の今後の展開についてだ。魚料理の店は繁盛しているが、今後の事を考えると、また別の商品を取り扱った方が、不景気に対しても抵抗力がつくと三郎が言った。すると成東繁が千葉の北東部はサツマイモの名産地だと言った。

 それを聞いた、三郎は、地元、保田家の人に、さつまいも農家を紹介してもらう事を考えた。すると、香取農協に知り合いがいるから紹介してやろうと言い、その人から詳しいことを聞けば良いと言われた。そこで、休みの日に、次男の成東繁と三男の成東徹を連れて3人で香取農協をたずねると、香取市栗源地区でも、特にさつまいもの名産地だと言われた。

 紹介された香取農協の栗原さんが、成東食堂のなめろうコロッケをよく知っていて、面白いアイディアだと誉めた。そこで海鮮料理だけでは、不漁になると採算が合わないで、その他の商品も売りたいと考えていると告げ、もし取り扱うとしたら大量に買いつけると話すと、栗原さんも、それはありがたいと言った。現在、2種類の甘い新種のさつまいもの交配試験中だと発言。

 この農協でも、その商品を大々的に売りたいと思っていると言った。そこで、三郎が、今後、交渉には、成東繁が、来ますので、宜しくお願いしますと紹介した。多分、2008年の冬には、試作品を提供できると思うと言った。そして11月20日、成東繁の所に、試作品のさつまいもを取りにこいと連絡が入り、出かけ、10kg入りの段ボール1つ買ってきた。

 それをふかし芋と焼き芋にして、食べて見ると、とにかく甘い。保田家の人達にも食べてもらうと、すごいと驚いていた。さつまいもは、ほっこり系とねっとり系があり、このさつまいもは、水分の少ないほっこり系で、繊維の量も多い感じがした。焼き芋に最高だと言う声が多かった。その後、三郎が、値段交渉に行き「香取産の甘いさつまいも」と紹介してくれた。

 価格交渉になって、条件付きで、1トン「5千本」で20万円で購入。その後、業務用の焼き芋の機械と1台20万円を10台、200万円で三郎が買う様に成東徹に伝え注文した。その後、さつまいも1本を半分にした形で、「香取産・新種・甘いも」として、メニューに入れろと指示。単品価格で200円、焼き芋1本400円で売ることにした。

 そして、各店舗で、焼き芋のサンプルとして1本を6等分してレジの横に置くように指示。甘いもの試作品としてスイートポテト、蒸しパン、はちみつとミルクを入れて焼いた1口パイ、大福、おから大福、大学いも、焼き芋プリン、さつまいもチップスが考えられた、その中でも手のかからないスイートポテト、蒸しパン、大福、おから大福、大学いも、さつまいもチップスも作る事に決めた。すると予想通り、なめろうコロッケと同じく持ち帰りで飛ぶ様に売れ始めた。

 その後、香取農協の栗原さんに頼んで、もう1トン、売ってもらったが、今年は、これ以上は無理だと言われた。そして1トンが2008年内に完売。その後、追加の1トンも何と1月中に全部売れてしまった。その後、スイーツとして、「紅はるか」をいれた商品を考えろと三郎が指示し、2009年があけた。その後、3月下旬までに、さつまいも、合計2トン全て、売れた。
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