第4話 東静大学古代史研究会③ 邪馬台国ツアー?
文字数 1,153文字
「そういえば、今日はみんなに発掘作業とは別の話があったんだ」
思い出したように藤原が口を開く。
「ヒストリートラベルという歴史に関係するツアーを多く行っている旅行会社があるんだけど……」
「私、その会社知ってます。ツアーにも何度か参加したことがあります」
弥生が答える。
「その会社からツアーの案内状が届いたんだよ」
「ツアーの案内状?」
「『邪馬台国ツアー』というツアーなんだ」
「邪馬台国ツアー?」
みんなが一斉に声を上げる。
「ツアーといっても、邪馬台国に関係する遺跡を回るといったものではないみたいなんだ。何でも邪馬台国に関するイベントを行うものらしいよ。主に大学の歴史サークルやアマチュアの考古学の愛好会なんかに案内状を出してるみたいなんだ」
「なーんだ。ただのイベントですか。邪馬台国ツアーっていうから、てっきり奈良県の纒向遺跡とかに行くのかと思った」
信二ががっかりしたようにため息をつく。
「イベントではチーム対抗で行う邪馬台国に関する宝探しのようなものもあるらしいよ。しかも、優勝賞品は『世界一周古代遺跡ツアー』だそうだよ」
「世界一周古代遺跡ツアー!」
その言葉でみんなのテンションが一気に上がった。
「歴史好きの間でも、ヒストリートラベルのツアーはとても楽しいという評判だよ。せっかくだし、みんなで行ってくるといいんじゃないかな」
藤原が全員の顔を見る。
「わかりました。行ってきます!」
信二が力強く答えた。弥生も、もちろん行くという表情でうなずく。
「新入生の二人はどうする? まだこのサークルに来たばかりだけど行くかい?」
「はい!」
二人は大きな声で返事をした。
「私は就職活動やモデルの仕事で忙しいから今回はパス。優勝旅行には一緒に行くから、みんな頼んだわよ」
小町が答える。
「それじゃあ、四人で申し込みをしておくよ。そうだ! せっかくだから、行く前にみんなで邪馬台国の勉強会を開こう」
「いいですね。先生やりましょう」
信二が答えると、他のみんなもうなずいた。
こうして、新しいメンバーが加わった古代史研究会の最初の一日が終わった。
帰り道、弥生と伊予がいっしょに歩いている。
「伊代ちゃん、ありがとう。古代史研究会に入ってくれて。こんなかわいい後輩ができて、すごくうれしいわ」
「私もです。弥生先輩も信二先輩も小町先輩も先生も、それに金次郎君もみんなやさしそうな人たちでうれしいです。みなさん、古代史のことを話していると目が生き生きしているし。今日はとても楽しかったです」
「そういえば、邪馬台国ツアーの話もあったわね。伊代ちゃん、優勝してみんなで世界一周古代遺跡ツアーに行こうね」
「はい。とっても楽しみです」
伊代が満面の笑みを浮かべる。
思い出したように藤原が口を開く。
「ヒストリートラベルという歴史に関係するツアーを多く行っている旅行会社があるんだけど……」
「私、その会社知ってます。ツアーにも何度か参加したことがあります」
弥生が答える。
「その会社からツアーの案内状が届いたんだよ」
「ツアーの案内状?」
「『邪馬台国ツアー』というツアーなんだ」
「邪馬台国ツアー?」
みんなが一斉に声を上げる。
「ツアーといっても、邪馬台国に関係する遺跡を回るといったものではないみたいなんだ。何でも邪馬台国に関するイベントを行うものらしいよ。主に大学の歴史サークルやアマチュアの考古学の愛好会なんかに案内状を出してるみたいなんだ」
「なーんだ。ただのイベントですか。邪馬台国ツアーっていうから、てっきり奈良県の纒向遺跡とかに行くのかと思った」
信二ががっかりしたようにため息をつく。
「イベントではチーム対抗で行う邪馬台国に関する宝探しのようなものもあるらしいよ。しかも、優勝賞品は『世界一周古代遺跡ツアー』だそうだよ」
「世界一周古代遺跡ツアー!」
その言葉でみんなのテンションが一気に上がった。
「歴史好きの間でも、ヒストリートラベルのツアーはとても楽しいという評判だよ。せっかくだし、みんなで行ってくるといいんじゃないかな」
藤原が全員の顔を見る。
「わかりました。行ってきます!」
信二が力強く答えた。弥生も、もちろん行くという表情でうなずく。
「新入生の二人はどうする? まだこのサークルに来たばかりだけど行くかい?」
「はい!」
二人は大きな声で返事をした。
「私は就職活動やモデルの仕事で忙しいから今回はパス。優勝旅行には一緒に行くから、みんな頼んだわよ」
小町が答える。
「それじゃあ、四人で申し込みをしておくよ。そうだ! せっかくだから、行く前にみんなで邪馬台国の勉強会を開こう」
「いいですね。先生やりましょう」
信二が答えると、他のみんなもうなずいた。
こうして、新しいメンバーが加わった古代史研究会の最初の一日が終わった。
帰り道、弥生と伊予がいっしょに歩いている。
「伊代ちゃん、ありがとう。古代史研究会に入ってくれて。こんなかわいい後輩ができて、すごくうれしいわ」
「私もです。弥生先輩も信二先輩も小町先輩も先生も、それに金次郎君もみんなやさしそうな人たちでうれしいです。みなさん、古代史のことを話していると目が生き生きしているし。今日はとても楽しかったです」
「そういえば、邪馬台国ツアーの話もあったわね。伊代ちゃん、優勝してみんなで世界一周古代遺跡ツアーに行こうね」
「はい。とっても楽しみです」
伊代が満面の笑みを浮かべる。