ごあいさつ

文字数 1,649文字

 転職先での研修期間を終えて、地元に戻った僕はリワークのみんなと連絡を取り、久々に顔を合わせることにしました。

 以前はみんなリワーク仲間でしたが、既に復帰された方も多く、今は社会、そして自身の特性と戦う仲間たち。大変なことも沢山ありますが、無理せず乗り切って行きましょうなんて話をして。

 尾長先生とはあれ以降、残念ながらお会い出来ていませんが……またどこかで会えたなら、元気でやっている姿を報告したい気持ちは、皆の共通目標に思えました。

 新しい職場で働く毎日も、気が付けば1年を超えて。

 去年の春からコロナ禍となり、現在はほぼ在宅ワークな毎日です。生活リズムが乱れないように朝早く起きると、仕事までの時間も生まれます。なので筋トレやジョギングも始めてみました。2度と入院するまいという考えと、あと身体を動かした方が精神的にも良い感じがして。

 或いはこんな感じで文章をあばばって書いたりしながら、おかげ様で体調もボチボチ。なんとか日々を過ごしております。

 改めまして、時折カバネと申します。

 以前から憧れのあった『後書き』にチャレンジしてみたい! というわけで、ここに書き記す最後の休職復職転職日記。もう少しだけお付き合いいただけますと幸いです。

 ここまで書いた、成功談というよりは失敗談。皆さんに精神的病理や障害への理解を深めて貰おう、なんて大それたものでもありません。精神疾患が話題の主軸にはなりましたが、本当にただのイチ体験談です。

 本当はもっと書きたいことも、書けなかった話題も沢山あります。僕の実力では泣く泣く削らざるを得ないエピソードも。けれどまずは一区切り。10万字という文庫1冊分のサイズで、このお話を閉じたいと思います。

 ◇

 言葉とは本当に不便なもので、想いを伝えるには技術が必要で、それに経験も大事だし、取捨選択も大切になる。それでも伝えることは難しく、やっぱり不便なものと思います。けれど敢えて、言葉にしたい気持ちもあって。

 ここまで読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました。

 読んでくださった皆さん、そして感想や応援や励ましをいただいた皆さんのおかげで、ここまで書くことが出来ました。皆さんがおられなかったなら、途中で諦めていた可能性も十分にあります。

 題材が題材だけに、どれほど読まれるのかは想像できないままに走り始めました。なるべく明るく、読み物として面白く書くことを目指したので、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

 この作品を書いて、僕自身が気付いたことも沢山ありました。

 例えばダウンした頃の話。辛い記憶ではあるのですが、やはり忘れてはいけない出来事です。こうしてアウトプットすることで、かなり客観的に振り返る機会を得たように思います。

 例えばリワークでの取り組み。まだそんなに時間が経っていないのに、忘れていることが結構多かったのです。当時の資料やメモ改めて漁り、思い出すことが沢山ありました。

 そして、僕がどれだけ周囲に助けられてきたのかという話。

 読み返してみると、1人の人間がジタバタ足掻き、ただひたすら周囲に助けられ、手を差し伸べて貰い、助けられ、歩いていく話にさえ思えました。これだけ沢山の人に支えて貰っていたのかと、改めて感じた次第です。

 また、この作品も同じです。僕1人でバタバタしている所でしたが、読んでくださった皆さんのおかげで書き切ることが出来ました。

 フィクションである小説とは違い、僕はこれからも生きて行きます。例え死にたくなったとしても。まだまだ大変なこともあるでしょうし、もうダメだと思う出来事もあるでしょう。けれど例え転んだとしても、今度はもっと上手く転びたい。そんな気持ちでいます。

 またどこかでお会い出来たなら『お久しぶりです、今も元気でやっています』と僕も言えるよう、日々を過ごして行けるように。

 皆さんもどうぞ、僕のような無理をなさらず、ときには休んだり座ったりして、どうかお元気で。
 ありがとうございました。
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