第36話 リワーク卒業者シート(原文ママ)

文字数 1,972文字

 職場復帰に際して書いた、リワーク卒業者シート。これを折角の機会なので、原文ママで記載してみたいと思います。

 いま読み返してみると、ダウンした頃に比べればやはり心境の変化が大きくあるなと……これも僕の振り返り。少しだけ、お付き合いいただけますと幸いです。

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①改めて、休職に至った原因・きっかけ・経緯を教えてください

 昨年の7月頃から思考力・集中力の低下が目立ち、有り得ないようなミスが仕事で続きました。
 これは何かおかしいと思い、診察を受け、休職するべきとの話になりました。
 いま思えば長年に渡る激務、ハイプレッシャー下での仕事で、去年の1月頃には心身にガタが来ていたのだと思います。
 思考力、集中力、判断力が大きく低下した状態で、仕事は増える一方となり、しまいには断る気力も判断もなく、更に仕事が増える負のスパイラルといった有様でした。

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②一番しんどかった時(リワークに参加する前)、どのような感じでしたか?

 身体的には、不眠、頭・首・肩・背中・腰の痛み。とにかく身体が重い。
 能力的には、思考力、集中力、短期記憶力、判断力の著しい低下。
 精神的には「自分の人生は失敗した」「もう死にたいな」「トラックが突っ込んで来ないかな」といった自暴自棄な不安感、焦燥感、イライラ、希死念慮など。

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③どんな思いでリワークに参加されましたか? 初参加時の体調・気持ちはどうでしたか?

 正直、目的や意図は持っていませんでした。
 考える思考力も判断力もまだ無かったと思います。
 勧められるがままなんとなく、というのが正直なところでした。

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④リワーク参加当初から現在まで、どのような経過で変化・回復しましたか?

・4-1.生活リズム・体調・気分について
 リワークの中では、CBT(認知行動療法)の座学がキッカケだったように思います。
 そこから自宅で、自主的に色々と自分自身を掘り下げたり、振り返ることを始めました。でも一人でできるものではなく、療法士の皆さんには本当に助けていただきました。
 また、去年の12月ごろから眠りが深くなり「眠るってこういうことなのか!」と驚きました。そこから腰痛が消え、更に驚いた記憶があります。

・4-2.復職への気持ち
 不安しかなく、自信もありません。緊張もあります。
 ただ、以前はそういった自身の感情を()()()()で抑え込んでおり、自覚さえありませんでした。
 ネガティブな感情も認めてあげて、ゆるゆる行きたいと思います。

・4-3.その他
 根回しとリハーサル。職場には「しばらくは会社にいる練習と思って、仕事を与えないで欲しい」等の交渉をしました。これは先生のアドバイスによるものです。
 それに、復帰前に職場で仲の良かった数人と、事前に食事に行きました。今の職場の状況、自分の1年間を情報交換し、良いリハーサルになりました。すごく緊張したけれど。

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⑤リワークの各プログラムで得たもの・感じられた自身の変化を教えてください

 CBT(認知行動療法)は自分を振り返るキッカケを与えてくれました。
 グループ討議では「失敗しても良い」「自分が引っ張る必要はない」など、沢山の気付きがありました。他にも色々、本当に色々と。
 自分の特徴への気付き、その対処のトライ&エラーを数多くさせていただきました。

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⑥次に体調を崩す前にしたいこと(再発防止)・崩したときの対応策を教えてください

 チェックポイントを設けて、自身の変化に早めに気付く。
 自分の特徴を頭に入れて、心身への負荷を予測する。
 相談する。
 それでもダメなら、逃げる。()()とかはゴミ箱に捨てる。()()とか()()も一緒に捨てる。

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⑦メンバーの皆様へメッセージをお願いします

 どん底の状態から少しずつ楽しく参加できたのは、皆さんがおられたからでした。
 1人では得られなかった気付きが殆どで、お礼の言葉もありません。
 最終日は卒業する実感があまりなかったのですが、自宅で資料を整理していると、不意に寂しさがこみ上げ、泣きそうになりました。これを書いている今も、やはり泣きそうになっています。
 皆様もどうぞご自愛ください。本当にありがとうございました。

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⑧スタッフやリワークへの意見・要望を自由にお書きください

 スタッフの皆さんには多大なお力添えをいただき、感謝の言葉もありません。
 私は中々、問題の根っこが深い人間であったと思います。振り返りのヒントや、時には一緒に手伝っていただき、本当に有難かったです。
 また、グループ討議など、皆さんにハラハラさせる場面もあったかと思います。その節も暖かく見守っていただき、自由にさせていただきました。
 大変なお仕事だと思います。皆さんもどうぞご無理なさらず、ご健康にお過ごしください。
 そして、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
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