聖の青春 (2016)

文字数 510文字

【お疲れマツケン、ごっちゃんヒガシデ】 2016/11/22



将棋には興味がなくても、ぜひ観たいと思ったのは松山さんの俳優の熱情だった。
なるほどに20㎏体重を増やした役作りには頭が下がる。
おそらくは実在の村山聖8段の立ち振る舞いも勉強されたのだろう。
今作の主人公聖(さとし)は、しかしながら、
マツケンが深く演じるほどに将棋一筋の味気ない若者像として再現されてくる。
残り少ない命の炎を燃やして、羽生7冠に挑む姿はその真実を壮絶に証明してくれる。

僕は将棋は知らないが、「羽生」のお名前はさすがに知っている。
翻って、村山聖の名は知る由もなかった。

本シネマは、命いっぱいに将棋に生きた聖の物語に違いない。
間違いもなく、本作はマツケンの代表作になるだろうし、
おそらくは演技賞対象として話題になるだろう。
しかし、シネマでも触れられているが、将棋は二人でかわすコミュニケーションだ。
そして本作のクライマックスは羽生との壮絶な対局になっている。
文字通り死力を尽くす二人の棋士。

羽生無くして、聖の伝説は生まれなかった。
羽生を演じた東出昌大、そこには大柄な羽生像が創造されていた。
ヒガシデなくして、マツケンの伝説もまた生まれなかったのだろう。

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