イニシエーション・ラブ (2015)

文字数 918文字

【用意周到に乾杯】 2015/6/27



公開からだいぶ時間が経過していますが、事前情報を取ることもせず、
ネタバレが勝手に入ってくることもなく
無事イノチェントに鑑賞させていただきました。

宣伝コピーに曰く「・・・・あなたは必ず2回観る」の恐怖からは、
フリーパスポート(TOHOシネマズさん)のおかげで解き放たれ、
リラックスしてみることができました。
結局、2度観することもなかったのは、
謎解きコーナーがご親切にもラストに付録でついていたからです。
この謎解きシークエンスは、ポアロなどの本格推理シネマにはよくある手法です、
大団円に至る観どころになります。
一方日常的には、オヤジギャグを説明している、
汗だくのダメおやじの姿が思い浮かんできます。
そうなんですね、
この「後から説明」と「蛇足」との境が微妙に悩ましいのです。

今シネマは、製作者側の周到な仕掛けに僕は最後まで引きずられてしまいました、
「やられた!」。
「後から説明」そのものがシネマのテーマなのですから。
気づきポイントは随所に散りばめられていましたが、

そのキーは松田翔太さん。
通常よりも早めの予告編でのキャッチコピーは、
前述のとおり「・・・あなたはすでに騙されている・・」に始まる挑戦的な内容でした。
そこに出てくるのは「タッ君」とよばれる松田翔太のバブル時代風景。
ところが本編が始まってみると違う「タッ君」が出てくる、
彼は翔太とはまるで違う容姿、性格だし、ここで僕は混乱してしまう。
そして「シネマのお約束事」、
この主人公が変身してイケメン(当時はナウい男)翔太になる、
でもこれはシネマ上での演技者の交代なんだと勝手にそう思う。
これは善良な観客の、それも松田翔太ファンの気持ちを弄ぶスキームでしかありません。
そのほかにも、ナイキシューズ、ルビーの指輪などの小道具がさも本格ミステリーの謎解き小道具のように出てはきます。

しかし、松田翔太のハンサムでちょっと我儘で憎めない魅力を、
観客が観たいと思っている俳優の魅力を
人質にしたようなトリックシネマは決して正統じゃないな。

老婆心:
ルビーの指輪のエピソードは寺尾聡さんの唄にかぶさって失笑した。
「♪ 捨ててくれ・・・」だとカッコイイのに、また使うんだ?

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