アイアンクロー (2023)

文字数 597文字

【いたく哀しい物語 】2024/4/5



A24シネマである、A 24 というだけでシネコンに足を運ぶ、今や反射的に。

本シネマは プロレス・ファミリーの悲劇だという予告編だけが事前インプットだった。
父親の教育の結果、プロレスの道しか選択できなかった兄弟(シネマでは4人)、もうこの時点で悲劇である、テキサスの片田舎の父権絶対一家とは言え1980年代に自由の国アメリカにこんな家族がいたことに新鮮な驚きを感じた。

世界ヘビー級プロレスラーの夢を子供たちに託すだけでなく強制する父親、それに従順に従う兄弟たち。
ぼくの人生と同じ時代にあった不思議な家族一体感に、悲劇の予感はみじんもなかった、まるで日本のスポコン一家でしかなかった。
  
しかしながら、実話ベースだということが耐えられなくなるような悲劇が続く、次から次へと。
  
「呪われた一家」と信じる長男が物語の案内人となって、悲劇の詳細を紹介していくという構成になっている。

プロレスシーンは当然挿入されるが、申し上げた通り悲劇の連鎖に敵うべくもない。
プロレスファンんでなくても、本シネマの意図するところを満喫できる、人生は悲劇だという。

長男ひとりが子孫繁栄の恩恵に浴する。
呪われた一家の汚名を返上するのだった。
人生はこんなものだろうと思った。
   
A24の意図するところもこんなところかな、それはそれでいたく哀しかった。
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