デビルズ・ノット (2013)

文字数 602文字

【じっくりと心に沁みてくる不思議】 2014/11/20



ゴージャスな告発シネマになっている。
アカデミー俳優の、コリン・ファース、リース・ウィザースプーンを配した再現シネマと揶揄することもできる。
リース・ウィザースプーンは被害者(小学生)のママ、コリン・ファースは人権派の調査員という役どころを流石に無難にこなしている。

物語は、小学生3人が惨殺され、犯人として悪魔崇拝の少年たちが有罪判決になるあまりにも謎が多い事件への告発をテーマとしている。
まだ事件の関係者が生存している(そして告発されていない)ため、シネマでは真相を示唆することもなく、淡々と事実関係を描くだけになっている。
一方でねつ造された証言、紛失した証拠、取り上げられなかった証拠 など司法捜査の欠陥を指摘している。
エンターテイメント指向をまったく採用していない本シネマに僕はただただ突き放されてしまう。
そして、同じような事件が日本でも話題になったことを思い出す。
おそらく同様の偏見捜査、そこに当然生じる冤罪が世界中で起こっているのだろう。

最後まで真相は不明のまま、大いなる疑惑を糾弾するだけにとどまっている。
しかし、受け取る教訓は多い。
僕は今更ながら、「死刑制度」の怖さを感じた。
一般人としてできることもある・・・人間を類型で判断するリスクを知っておくこと。

欲求不満に陥るシネマには違いないが、じっくりと心に沁みてくる不思議なシネマでもある。
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