パッセンジャー (2016) 

文字数 559文字

【甘い甘ーい 宇宙の恋の物語】 2017/3/24



すべてが過剰になってしまった地球を脱出して惑星に移住する5000人の人類。
彼らにとって新世界が始まる前に崩壊する危機を救った一人の男は、
すべからく「神」と呼ばれる存在なのだろう。
その神に位置する男に愛される女、
神の横暴に怒り狂う女も最後には崇高な愛の真実に気づくという、
スーパーアナクロシネマだった。

とは言いながら、5000人の中から理想の伴侶を一方的に選ぶ機会(同性愛も含めるとだが)は
シネマ設定としては魅力的である、反人権などとは言うまい。
巨大なアミューズメント施設化した宇宙船の中での勝手気ままな贅沢な恋愛ゲームも
目くじら立てずに気軽に楽しむべきなのだろう。
一生を宇宙船の中で暮らし終えることと、
120年間冷凍保存されて眠り続けることとの明確な損得を見極めることも意味がない。
人間には寿命があるのならば、愛する人と一生を生きることが何にも優先する。
そして、閉塞感がいっぱいの地球、
その救いは「愛」だとすれば、本シネマそのものが辛口のアイロニーだった。

巨大な宇宙船の中で眠りから覚める二人、
ジェニファー・ローレンスとクリス・プラットが熱演している。
シネマとは云え、美男美女の甘いラブストーリーは観ていても心地よい。
それが神々の恋愛ならば誰も文句は言えないだろう。

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