ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密 (2014)

文字数 621文字

【文句なしの「有終の美」】 2015/3/20



別に文句を言ってるわけではないのだが、本シリーズ過去2作はベン・スティラーシネマとしていささか毒気の控えめ、お子様向けのものだったのが心残りだった。
夜の博物館にわき起こるファンタジーの数々が主役で、ベン自身は善良なる案内人(狂言回し)で留まっていた。

ところがどっこい。
シリーズ最後の作品で、今までのうっぷん晴らしのごとく、ベン・スティラー節がうなっていた。最後の最後まで執拗に同じネタ(類人猿そっくりさん絡み)で引っ張った二役演技は、まずその代表だろう。
主人公と類人猿のコミュニケ―ションギャップネタには、進化への皮肉、親子の哀愁が感じる、キング・オブ・コメディアンの貫録すら滲み出ていた。

ポンペイ惨事、鼻欠けランスロット卿、AED攻撃、ディク・ヴァン・ダイクのセクシーダンスなどなど、入念に仕込まれた際どい笑いも僕にはうれしかった。
圧巻は「ヒュージ・アックマン」シーンで、ヒュ-・ジャックマンにウルヴァリン真似をさせた上に、お礼の言葉まで投げかける楽屋落ちシーンだった。
下手すると、悪ふざけとしか受け取られないカメオシーン、苦笑いの中であっけにとられてしまった、さすがのベン・スティラーだ。

そして肝心の多くの仲間たちとの別れは、一転して感動に包まれる。
絵に描いたような、いやいやシネマに描いたような「有終の美」だった。

老婆心:
ミッキー・ルーニー、ロビン・ウィリアムズの遺作、心してお別れしよう。
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