サイキョウさんとリリムちゃん、最後の騒動を終わらせる 7
文字数 816文字
サイキョウさんは笑いながら思います。
リリムちゃんの発言は、どんなに出来た大人でも呆れ果てて見捨てるかもしれないほどにとんでもない内容だったはずですが。
サイキョウさんはそんな内容こそを好むようでした。
要はサイキョウさんも相当な変わり者だという話ですが。
それは今更の話でしょう。
サイキョウさんはそう思いつつも、笑いが収まらないのか、身体を丸めて口元を覆い隠すようにしながら震え続けていました。
そんなサイキョウさんの態度に、最初こそ怒られたりしなかったと安心した様子を見せていたリリムちゃんでしたが――笑われ続けるというのには流石に我慢が出来なかったようで。
そう言いながらサイキョウさんに近づくと、サイキョウさんの丸めた背中をばしばしと叩き始めました。
もはや状況の変化についていけなくなった刺客が、リリムちゃんの発言に内心でそんなツッコミを入れていると。
サイキョウさんがそんな言葉を発しながら、纏わりついてくるリリムちゃんの頭を掴みます。
久しぶりに感じる頭の圧迫感に、リリムちゃんは過去の経験から嫌な予想をしてはっとしましたが、
時既に遅しとでも言うべきか、あるいは案の定とでも言うべきか。
頭蓋をみしみしと締め上げるサイキョウさんの動きに合わせて、痛みを訴える悲鳴をあげることになるのでした。