リリムちゃん、とりあえず明日に備えて寝ることにする
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あまりにもあっさりとこの場を後にしたサイキョウさんに向けて言うように、リリムちゃんは呟きます。
そんなことを考えながら、リリムちゃんは溜め息を吐きましたが、
去り際にサイキョウさんが口にした言葉の中に、自分の名前があったことを思い出して、自然と顔がにやける自分を認識していました。
リリムちゃんはそう考えると、ふふと笑い声をあげました。
リリムちゃんはそう呟いてから目を閉じると、深呼吸をひとつ挟み。
自分に言い聞かせるようにその言葉を思った後で、よしと頷いてから刺客の人へと視線を向けてから口を開きます。
リリムちゃんから声をかけられて、刺客の人はびくりと体を跳ねさせるほど驚いた後で、視線で問いかけます。どういう意味だ、と。
刺客の人からの疑問符を受け取ったリリムちゃんは、その疑問に対してわかりやすい答えを口にします。
あなたには早速頼みたい仕事があるわ。
――ああ、大丈夫。そんなに難しい仕事じゃないから。
だって、この屋敷に居る人間に、私との間に契約が結ばれていることを説明するだけだもの。事情も含めて、全てよ。簡単でしょう?
にいっと笑いながら出てきた言葉に、刺客の人は心底嫌そうな表情を浮かべていましたが、
随分と長い葛藤の果てに、何もかもを諦めたような溜め息を吐いた後で、了承の返事を口にしました。
まぁ、断れば命に関わることを十二分に理解しているのだから、断れるはずもありません。
そして、リリムちゃんもその事実はきちんと理解しています。
だから。
リリムちゃんは自分に言い聞かせるように、そんな言葉を口にするのでした。
そして、リリムちゃんは刺客の人の抗議をあしらうように鼻で笑ってから、宣言通りに屋敷の中の空き部屋――もとい寝床を探すべく屋敷の中へと戻っていきました。