第14話
文字数 491文字
14
二人は油断なく戦い続けて、悪竜 を片付けていった。
飛んできた一体が爪を振り下ろした。フィアナは半身になって避けた。後方へと行き過ぎる悪竜 に、子ユリシスの槍を投擲する。
一直線に飛行した槍は、瞬時に追いついた。尾の付け根に深々と刺さり、悪竜 はばたりと地に落ちた。
「残り四体! ぱぱっと畳んじゃおう!」
フィアナが明朗な声音で叫んだ。「当然!」ユウリも即答する。
四体がぴたりと動きを止めた。すぐにじわじわと不気味な様に全身の黒みが増していく。
「何かやる気──」ユウリが危機感を口に出そうとした瞬間、四体の身体が砕けた。凄まじい白光が内部より放たれる。
刹那、ユウリの視界に緑青色の流体が入った。
一瞬遅れてドゴウッッッ! 短い爆音が轟く。ユウリは吹き飛んだ。身体中に凄まじい激痛。二回、三回。地面を無抵抗に跳ねる。
やっと止まったユウリは、自分がうつ伏せ姿勢なのに気づいた。(……く──そ。フィ……アナ……は?)周囲を見回そうとするが、首が動かない。数秒ののち、ユウリはふうっと意識を手放した。
二人は油断なく戦い続けて、
飛んできた一体が爪を振り下ろした。フィアナは半身になって避けた。後方へと行き過ぎる
一直線に飛行した槍は、瞬時に追いついた。尾の付け根に深々と刺さり、
「残り四体! ぱぱっと畳んじゃおう!」
フィアナが明朗な声音で叫んだ。「当然!」ユウリも即答する。
四体がぴたりと動きを止めた。すぐにじわじわと不気味な様に全身の黒みが増していく。
「何かやる気──」ユウリが危機感を口に出そうとした瞬間、四体の身体が砕けた。凄まじい白光が内部より放たれる。
刹那、ユウリの視界に緑青色の流体が入った。
一瞬遅れてドゴウッッッ! 短い爆音が轟く。ユウリは吹き飛んだ。身体中に凄まじい激痛。二回、三回。地面を無抵抗に跳ねる。
やっと止まったユウリは、自分がうつ伏せ姿勢なのに気づいた。(……く──そ。フィ……アナ……は?)周囲を見回そうとするが、首が動かない。数秒ののち、ユウリはふうっと意識を手放した。