第25話 背徳の天使
文字数 1,954文字
先日の内にネリアに連絡を取ると宿泊OKの返事を貰った為、彼女を迎えに行ったのだった。
ネリアは先に夕飯を済ませたのだという。
スバルはそっと、彼女を抱いた。
スバルは起き出し、朝食の支度をしながら彼女について考える。
スバルが驚いて箱を開けると、中はベッドのようになっていて、小さな金髪の天使が眠っていた。
大昔に守護霊なる存在が流行った時は酷いものだったよ。
プライバシー皆無で。
今は基本的に守護霊は廃止になっていて、守護霊行には厳しいテストを受けなければならなくなっているよ。
今のところ、私しかパスしていないね。
転生時のトポロジー変換の歴代カタチの内、何かに引っ張られているんだね。
その程度にこだわり続ける未熟な霊魂は、光の海に飛び込むまでもなく自然に消えてしまうだろうね。
スバルちゃんは消えなかった。
自我が弱いけど、理性があるから。
スバルはすぐにネリアに駆け寄り、熱い抱擁とキスを交わした。
その後で、朝食のセッティングに取り掛かる。
ネリアは小さく笑うと、少し俯いた。
ネリアちゃんがいじめられているのは本当だけど、スバルちゃんとの昨日の熱い夜はネリアちゃんに優越感を与えているよ。
どんなに周りから嫉妬されて酷い事を言われても、スバルちゃんからの愛は確かなものだからね。
学校に行きたくないのは本当だし、今日は午前休にしたかったからちょうど良かったみたい。
気にしなくても大丈夫そうだよ。
お洒落なバラのティーセットが、朝日を反射して美しく光った。