第31話 哀愁の天使
文字数 2,092文字
翌日、スバルは会社を休む事にした。
ベッドの中でソロネと共に横になったまま、ぼんやりと言葉を交わす。
天井から小振りなスクリーンが降ろされ、くっきりとした映像が再生され始めた。
幼い頃のスバルの姿が映し出される。
【スバルの父】
すまん。
俺はリカームしか打てない。
そしてMPが足りなくて、連発は不可能だ。
ヒランヤも持っていないし、メシヤ教会にもガイヤ教会にも縁が無い。
金質が圧倒的に足りないから、リペアガレージにも行けない。
その日から父は姿を消した。
噂ではホーリータウンを作り上げたとの事だが、不況に喘ぎ全ての銀行が凍結されたとのことであった。
おやおや。
ラクシュミとサラスヴァティを混同しているんだね。
極微が足りないよ。
スバルちゃんは、サラスヴァティ領域の中で最大限の努力をするラクシュミになるんだよ。
いつかのゲサラマサラの為に。
虚無だけど、輝きとはそういうものだからね。
スバルはソロネとそっと抱き合い、天井のスクリーンを収納する。
そのままベッドから這い出ると、ブランチの準備に取り掛かった。
調理が面倒な為、カップヌードルチリトマトを食べることにした。
食べ終わったカップ麺の容器を片付けて、スバルはパントリーの在庫確認を始めた。