第6話 娯楽の天使
文字数 2,120文字
スバルは雑貨屋に来ていた。
ファンシーなグッズが並ぶ店には、若い女性客が大勢訪れている。
スバルは指定されたシールと好みのデザインのシールを60組ほど購入し、店を出た。
シールを買うと、胸がワクワクする。
ぬいぐるみもいいけど、あみぐるみもいい。
彼は、ファンシーの全てを極めていた。
二人は談笑しながら自然食品の店へと向かった。
閑散とした店内を、静かに見て回る。
自然食品の店で買い物を済ますと、二人は品揃えの多さしか取り柄がないような、割高のスーパーに向かった。
高級感溢れる製菓材料を買い漁り、ついでに弁当なども購入する。
スバルは暫く悩んだ後で、特に具が大きい鰻弁当を購入した。
会計を済ませ、自宅へと向かう。
ソロネとの会話は気分が良かった。
彼女は媚を売るでもなく、真実のみを口にするようだ。
そして、それはスバルの自己肯定感を高める事に一役買っていた。
帰途に着くと、二人は手を洗ってからクッキー作りを始めた。
グラスフェッドバターと有精卵と根菜糖を使った、贅沢なクッキーとなった。
生地にアーモンドプードルをたっぷりと混ぜ込み、ラップに包んで丸めて冷蔵庫に寝かせる。
冷蔵庫で生地を寝かせている間に、スバルは買ってきた弁当を食べることにした。
溢れんばかりの鰻が乗った、最高の弁当であった。
食事を終えた後、テーブルを片付けてから冷蔵庫から生地を取り出した。
暫く常温に置き、そのままスバルは風呂に入った。
入浴から出た後で、スバルはクッキー作りを再開する。
完璧なまでに美しいアンゼリカクッキーを焼き、きれいにラッピングをしてから二人は寝床に入った。
スバルのそばで、ソロネが優しく添い寝をする。
二人は幸せに包まれ、笑顔をたたえて眠りについた。