第15話 卒業の天使
文字数 1,922文字
蛍の光 窓の雪
書読む月日 重ねつつ
何時しか年も すぎの戸を
開けてぞ今朝は 別れゆく
止まれも行くも 限りとて
瓦みに思ふ 千万の
心の端を 一言に
幸くと許り 歌うなり
筑紫の極み 陸の奥
海山遠く 隔つとも
その真心は 隔てなく
一つに尽くせ 国の為
千島の奥も 沖縄も
八州の内の 護りなり
至らん国に 勲しく
努めよ我が兄 恙無く
体育館で二人が内緒話をしていると、後ろからノボルが肩をつつく。
やがて退場の音楽と共に、列に倣って二人は静かに体育館から退出をする。
スバルはチラリとソロネに視線を送る。
宇宙量子の最高峰の事かな?
四次元転換のことだと思うよ。
ノボルちゃんはこれから宇宙創生を行う尊いお方になるから、言動などに気を付けた方がいいよ。
きっとそのうち、スバルちゃんもノボルちゃんのお世話になるから。
深く感謝する日が来るよ。
教室に戻ると、スバルはカバンから虹色の銀シールを取り出し、ノボルに手渡した。
ノボルはいたく感激し、スバルの事を褒めちぎった。
穏やかに、卒業の日は過ぎ去っていった。