第21話 説得の天使
文字数 1,838文字
勇者ミウラの現れる所に、悪の組織・魔法の竿(株)があるのだと言う。
これがどういう意味を持つのか、スバルには理解が出来なかった。
スバルは敵と味方の複雑な関係性について考え、段々と混乱してきた。
卵が先か鶏が先か。
そういえば、主人公の設定の核心に迫る要素に敵なる存在が群がり、そこから主人公が巻き込まれなどの形で事態が膨れ上がっていくパターンが多い気がする。
玉座の間にて、一人高笑いをしている魔王スケアクローを無視し、スバルは会社の外へと出た。
外の空気は澄み切っており、如何に会社の建物内が埃っぽいかが分かる。
スバルはそのまま自宅に戻ると、すぐに入浴をした。
細部まで念入りに洗体後、服を全て破棄した。
変身ブレスレットをアルコールで拭き上げ、新しい衣服に着替えた。
靴も捨てた。
きれいになったところで、スバルは辟易しながら家を出発する。
ドミニオンが壁の修復作業の時に時空魔法を使っていたね。
つまり、現状維持の必要性を感じたんだと思うよ。
あの建物は燃しては駄目かもね。
ドミニオンはしっかりバリヤーを張っていたね。
スバルちゃんにも、念入りに三重バリヤーを張るね。
スバルは胸を撫で下ろし、ソロネと手を繋いで勇者ミウラの元へと急いだ。