第9話:北川家の5人で熱海旅行

文字数 2,601文字

 最初、初男は、母と別れるのが辛くて、泣きべそをかいていたが、5月の連休を過ぎる頃には、学校で友達もできて、楽しそうに登校して行った。妹の佐織も同じ頃に、近所の幼稚園に通い始めた。そして、母も、来る必要なくなり、月に数回、顔を出す位になった。その後、7月30日に、橫浜上空に寒気が流入したため昼過ぎから雷雲が発達した。

 横浜における最大1時間降水量 92ミリ、最大10分間降水量 34ミリと言う土砂降りになった。そして、橫浜市内で、床上・床下浸水など建物被害及び道路被害が多数発生した。それがおさまると、暑い夏となり、8月27日から31日の間、関東地方北部に前線が停滞し、大雨となった。5日間の雨量は、箱根652ミリ、81時間雨量が78ミリという豪雨となり、神奈川県西部、北部山間部で道路被害が多数し土砂崩れも発生した。

 9月15,16日には、県北西部を通過した台風第5号によって県内は大雨となった。横浜における最低海面気圧 968ヘクトパスカル、最大瞬間風速 28メートル。15,16日の2日間の降水量が箱根 378ミリ、相模湖259ミリとなり、山間部での道路被害と土砂崩れが多数発生した。北川家のある橫浜市営団地でも平屋の家は、雨漏りしたりしたが、マンションでは特に被害はなかった。

 その後、10月になると、日曜日に、野毛山動物園に、北川夫妻と初男、佐織と、おばあちゃんの北川米子さんの5人で、おにぎりを作って出かけた。子供達は、ゾウを見たり、猿を見たりして、歓声をあげていた。帰りに、野毛によって、喫茶店でケーキやプリン、珈琲、紅茶、ジュースを飲んだ。最初、子供達が、緊張していて、おすまししていたが、慣れてくるとケーキ、プリンを美味しそうに食べていた。

そして、今年も、北川天一の家で、12月24日、クリスマスパーティーをして、ケーキと、子供達のリクエストで、メンチ、ハムフライ、鶏の唐揚げを買ってきて、大人達はビールで、子供達はジュースで乾杯した。この時、米子さんが、初男に大きくなったら、何になりたいと聞くと、コンピュータープログラマーと言い、佐織にも聞くと、きれいなお嫁さんと言うと大笑いした。

 やがて、1999年があけた。この年は、冬は、それ程、寒くなくて、快適だった。3月下旬には早咲きの桜が咲き、4月には満開となり、黄金町近くの大岡川に、天一の母も入れて5人で花見に出かけたが、大勢の見物客がいて、花を眺めたらさっさと帰って来て、横浜の駅ビルで、夕飯を食べた。北川天一と初男は、ビーフ・ステーキを食べて、母と奥さんがビーフカレー、娘の佐織は、スパゲッティを食べた。

 初男が、窓側の席にすわり、下を見て、高いと言い、遠くの方を見ると、海の向こうに大きな船が見えて、あれは何と聞くので、天一が、海外から小麦粉や食料品などを大型タンカーで運んでくるのだと説明すると、それにしてもでっかい船だと驚いていた。向かいの窓側の席に座った佐織が、おうちが小さく見えるねと言い、なんで小さく見えると聞くので、天一が遠くにあるからと説明したが、わからないと答えた。

 1999年5月27日、橫浜では、発達中の低気圧が本州を縦断し県内では強風となった。最大瞬間風速、横浜 で30メートル/毎秒の強風にあおられて負傷者が多数でた。その他、農業被害及び停電被害が多数発生した。天一の市営住宅のマンションでも、強風で、ゴーと言う音で、夜、なかなか寝付けないほどだった。そして、夏を迎え、暑さが厳しくなった。

 7月21日には、東北付近を通る梅雨前線に向かって南から湿った空気が入り込み強い雷雲が発生した。最大1時間降水量 横浜 21ミリのい強い雨が降った。その他、落雷による人的被害、死者も出たとニュースで発表された。また、浄水場に落雷があり、多数の世帯が断水した。幸いにも、北川家では、水道に被害が出ずに、ひと安心した。

8月13.14日にも、大雨が降った。紀伊半島の南海上で発生した弱い熱帯低気圧が関東地方から東北地方南部の各地で強い雨を降らせた。8月14日の最大日降水量 相模湖302ミリ、相模原 298ミリ、海老名172ミリ河川の増水により山北町の玄倉川と藤野町の道志川では人的被害「死者・行方不明者」が発生。床上・床下浸水など建物被害及び道路損壊が多数発生した。

 それでも、橫浜市内では、大雨が降って、大岡川の推移があがったりしたが、数カ所に土砂崩れがあったくらいで、人的被害はなかった。9月になると、徐々に涼しくなり、11月の土曜日、北川天一は、母を誘って、熱海温泉に1泊の旅行に出かけた。朝、8時半に家を出て、最寄り駅に9時に母と待ち合わせ、北川家の4人と共に、橫浜駅に行き、少年電車に乗り換えた。

 そして11時半過ぎに熱海駅に到着して、熱海駅前通りの寿司屋に入り、握り寿司セットを注文した。海が近く、魚も旨かった。子供達も好き嫌いがなく、全部食べた。その後、駅前通りの古い構えの店に入り、射的を楽しんだりして、童心に返り、熱くなった。その後、昔の雰囲気のする、喫茶店に入って、珈琲、紅茶、ジュースを飲んで一休みした。

 その後、14時前に店でタクシーを呼んでもらい熱海港の近くのホテル大野屋にチェックインした。到着して熱海港周辺の公園と釣り場を散歩し体が冷えてきた頃にホテルに戻ってローマ風呂に入った。その後部屋で、一休みして19時前に夕飯を食べにホテルの食堂へ向かった。このホテルの食堂は、バイキング形式だった。

 そのため好きな物を取って食べるので子供と一緒に料理を取りに行き、欲しい物を大人が子供に聞いて、皿に取ってあげた。すると、初男も佐織も楽しいと言い、その後、自分達で、好きな物を取りに行き、喜んでいた。30分くらいで、お腹いっぱいになったので、部屋に帰って、一休みして、また、風呂に入りに行った。帰って来てから、冷蔵庫にある冷えたビールを空けて飲み始めた。

 子供達は、テレビを見ていて、21時半頃には、眠いと言い出したので、広い10畳の部屋に全員でねた。翌朝は、8時に起きて、朝風呂に入って、9時半にホテルをチェックアウトして、タクシーで熱海駅に行った。湘南電車をまって、橫浜駅には11時過ぎに到着して、昼食を取っていきませんかと母に聞くと、そうねと言うので、駅ビルのレストランを見て回った。
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