第34話:佐織のバンクーバー小旅行

文字数 2,647文字

 神戸も港町で、潮の匂いが、心地よかったと言った。翌日は、新幹線で、大津で降りて、琵琶湖の湖畔を散歩して、再び新幹線で、名古屋向かった。名古屋名物、きしめんと味噌カツ、手羽先を食べたと言い。手羽先とビールの相性が良いと両親が話していた様だ。味噌カツは、どうだったと聞くと、味噌はちょっと、難しい味だと苦笑いした。きしめんは、美味しかったが、箸「はし」を使うのが難しかったようだ。

 その晩、名古屋に泊まって、翌日は、静岡で降りて、静岡おでんを食べたが、微妙な味だったと本音を吐いた。やはり、魚のすり身というのになれていないようだった。だた、徳川家康がいたところと言うことは、勉強して知っていたようだ。お母さんが、新幹線から見た富士山は、やはり、素敵ねと誉めてくれた。夕方、新横浜で降りて、列車を乗り換え、明日、鎌倉見物するため、藤沢に泊まった様だ。

 翌日、藤沢駅からモノレールで、江ノ島へ行ったとき、初めてモノレールの乗ったので、奥さんは、怖かったそうであったが、子供達は大喜びだったようだ。その後、江ノ島を散策して、江ノ電に乗って、海岸線を見ながら、鎌倉駅へ。その後、鶴岡八幡宮を見学して、タクシーで鎌倉大仏見物へ向かった。その大仏の大きさと、りりしい姿は、感動的だったと言ってくれた。

 その後、鎌倉駅から列車を乗り継いで、東京、上野駅に着き、スカイライナーで成田へ行き、18時過ぎのシアトルへの直行便に乗って帰路についた。何とも慌ただしい日本旅行だったという印象を持ったと話した。

 そして、シアトル留学も2週間目に入った。ワシントン大学の授業も日本の大学の授業とあまり変わらないと感じた。むしろ、友人になった、イギリス人、ケイト、デンマーク人のハンナとの休み時間の話の方が面白かった。ハンナは、北欧系で色白で肉感的なグラマーさんで、きれいな金髪でカナダの男子学生にもてもてだった様だ。しかし、ハンナ自身は、その男性達のスケベそうな目で見られるのが恥ずかしいと言った。

 もう1人のケートは、シアトルの映画は、まだ増しと言った。以前、ヒューストン、ニューオーリンズに行った時、スラングだらけの汚らしい英語には、閉口したと言い、また、治安も悪くて、気持ちが悪かったと言い、その点、シアトルは、町も自然も海もきれいだと言った。そして今週末、3人で、カナダ・バンクーバーへ列車の旅を計画した様で、ウキウキしていた。

金曜日までに、シアトルとバンクーバーの往復の列車を予約した。やがて、土曜日となり、シアトル・キングストリート駅の入口ドア近くで、6時30分に待ち合わせた。朝早いので、待ち合わせた2人は、直ぐ見つかった。

 シアトル・キングストリート駅は、殺風景で大勢の人で混雑して、ベンチにかけることすらできないほどだった。駅は、簡素でカフェも売店もなく、一刻も早く列車に、乗りたいと思った。この駅には、空港みたいにチェックインカウンターがあり、そこや自動チェックイン機で発券する必要がある。しかも受託手荷物の取扱もあり、50ポンド「23kg」までしか荷物を持ち込めないようになっている。

 また、受託手荷物は出発30分前までに預け入れを完了しなければいけないので、多くの人達が、早めに駅に来ていたのだった。さらにチェックインしたのにすべきことがあった。それは、、全席指定のこの列車の座席指定券は、別の場所で発給を受けるという煩わしい仕組みがあったのだ。それでも何とか、全ての処理を30分ほどで終えて、列車に乗ることができた。

 Eチケットを見せて、アムトラック・カスケード号の窓側の席3つを手に入れた。そして、列車に乗り込むと、座席は革張りで高級感があった。朝早かったので、食堂車へ朝食を食べに行った。食堂車、椅子とテーブルではなく、カウンターがあるだけの、日本の昔の「ビュッフェ」みたいな簡素な感じだった。珈琲とパンとクラムチャウダーで、15カナダドルでボリューム感があり、珈琲も美味しかった。

 列車が走り出すと、少しすると、海が見えて、その後、オリンピック山らしき山も海越しに見えました。列車は、海岸線ギリギリを走り日本の様に、防潮対策という概念はなさそうだった。早朝、海岸を散歩する人が、笑顔で列車に手を振ってくれ、佐織達も手を振りかえした。しばらくすると、アメリカ領土内最後の駅、ベリンハム駅に到着。

 ここは、中・長距離フェリーターミナルや中距離バスターミナルも併設されてて、シアトル-バンクーバー間では最大の駅のようだった。やがて、アメリカ・カナダ太平洋側国境へついたが、あまり美しくない景色で、なんの感動もなかった。 反対側の陸側の席だと白いピースアーチ見えるようで、盛んに写真を撮っていた。カナダの入国申請書が渡され、た。

 カナダは法律でいかなるモノにも英語と仏語の両方で表記せねばならないということなので、入国申請書も英仏両面に印刷されていた。1個人1枚ではなく1世帯1枚でいいとのこと。書類も書いて時間的に「そろそろ到着かな」と思い、御財布の中身も米ドルからカナダドルに入れ替え。パットロー橋で、列車は30分ほど止まりっぱなしだった。

 しかし、車内アナウンスもなど、説明もなく、不親切だなと感じたが、これが外国なんだと言う感じがした。そうして、定刻で、バンクーバー・パシフィックセントラル駅に到着した。しかし、更に車内に30分弱待たされます。じつはカナダ入国審査はヨーロッパの国際列車ように車内手続きでなく、到着駅で行うためビジネスクラスのある前方車両からの審査。 

 そのため、早朝にも関わらずシアトルの駅は早くから先着順の前の車輌を確保するために混雑していた。ちなみに受託手荷物の引き取り。列車脇の通路に無造作に並べられていました。それを個々人で持って行く方式のようです。いよいよカナダの入国審査。アメリカもカナダも出国審査はないため、最近入国審査が厳しいと言われていた。検査犬がおり荷物の確認され、無事、通過できた。

 予定より30分遅れてカナダ・バンクーバーの地に鉄路で入国完了。長距離列車の駅にしては閑散としていたが、重厚な雰囲気の駅。売店はあるが小さく、食べる所はマクドナルドぐらいでした。両替所も列車やバス到着時間帯のみ営業しているようでした。そこで、こじんまりとしたカフェに入って、朝食と同じ様な、簡単な昼食をとった。
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