第24話:証券不祥事で関根先輩も退職

文字数 2,945文字

 那覇の市街地地も一望でき、その反対側の城壁からは、沖縄北部方面の景色が見えた。首里城見学を終えて、駅に行く途中の沖縄そばを食べてみるかと聞くと、試してみたいというので入った。そして、最初に箸「はし」の使い方を教えて、初男が最初に食べてみせた。続いて、ブラウンが器用にそばを箸「はし」でつまんで食べた。しかし、エマは、なかなか食べられずいたが、店の人が大きなフォークを持ってきて、食べる事ができた。

その後、ホテルの近くのレンタカー屋で車を借りて、北谷のアメリカンビレッジへ行った。すると、アメリカ人好みの派手なネオンを見て、ブラウンとエマが、下品な感じと言った。しかし、面白そうなので探検することにして、海辺を歩きながら美しい海の景色を眺めた。やがて18時となり、遠くにイタリア料理の店、「カプリチョーザ」を見つけて、入ってピザとパスタを食べて、その後、ジェラードもいただいた。

その帰り、那覇から多くの離島へフェリーが発着している泊港を見学して、21時近くに、レンタカーを返しに行き、ホテルに帰った。その後、22時には床についた。翌朝8時に起き、朝食を食べて、ホテルをチェックアウトして、9時半に空港へ向い10時に到着、搭乗手続きをとりに行き、近くのカフェで昼食をとり、13時30分の飛行機に乗り込み、羽田に16時前に到着した。

 そして、自宅の初男の父に迎えを頼み、17時前に、新横浜プリンスホテルに到着し、家に、17時半に到着して、風呂に入って、夕食をとって、ビールを飲みながら、お土産話をしていると、21時頃には眠くなり、床についた。その翌日、朝6時に起き、父に車で橫浜駅に送ってもらった。そして、初男が、エマとブラウンを成田空港まで電車で、ついて行くことにした。

 その後、湘南電車で7時半に東京駅で山手線に乗り変え、上野駅で降りて、京成スカイライナーに乗って8時半にに成田空港に到着した。そして、11時半発の英国航空のフランクフルト直行便に乗るため、搭乗手続きをとり、無事に飛行機に乗り込み、飛び立った。その後、ブラウンがドイツの自宅に、エマがフランスの自宅に到着したと、メールが入った。こうして、ブラウンとエマの日本旅行が終わった。

 2012年3月2日にエーアイティーと言う会社で、関西発祥の複合一貫輸送業者で、日中間の海上輸送で衣料、日用雑貨等輸入に強み持っている情報を調べた。日中の貿易が高まっているので将来性があると思い注目していた。この会社が値を下げているのに注目していた。そこで、父に400万円貸して欲しいと頼み込むんだ。すると、仕方ないなと言い了解してくれた。

 この話を聞いていた祖母の北川米子が、初男を読んで500万円までなら私も貸してあげるよと、耳打ちした。それを聞いて、もしそうなったら、宜しくお願いしまうと頭を下げた。これで、初男の資産が父から借りた400万円を入れて、合計426万円となった。そして3月5日、朝、1146円の気配値が出ていたので、3000株を成り行きで買うと、343万円で買え、残金が83万円となった。そこで、父に、400万円貸して欲しいと頼み込むんだ。すると、仕方ないなと言い了解してくれた。

 2012年3月23日、証券取引等監視委員会が、企業年金資産消失問題において金融商品取引法違反を理由とし、AIJへの強制捜査に着手。野村證券や社会保険庁のOBが多数関与していたと言う情報が北川天一の耳に入った。そこで、心配になり、野村證券の関根先輩に久しぶりに電話をかけた。すると、事件の中心人物と目されている浅川和彦さんは、よく知っていると言った。

 浅川和彦さんとは、以前、同じ部署で仕事をしていたと言い、真面目で誠実な人柄だったので、詐欺なんてするわけ無いと信じていると話した。彼は、優秀で入社10年で京都支店長として入れの出世でし、1994年に突然退社、野村OBが数多く在籍するペイン・ウェーバー証券「UBS証券の前身」東京支店へ入社した。そこから女性役員を引き抜いて、2000年にAIJの前身の資産運用会社を買収、独立した。

2002年に旧山一證券出身者で成るITM証券を社員ごと買収した。ITM証券は、日経225オプションの売り戦略を主力としていると顧客に説明した。オプションは、株価の急落に備えた保険の引き受け手となるもので、平時であればコンスタントに手数料を獲得できるが、急落時には大きな損失を出す特徴があり、ファンドマネジャーに対し相場の先行きを読む力量が求められる戦略である。

その後、投資の詳細な説明を拒んだ。これで解約した人達もいたが高利回りは魅力的だった。その後、その手腕を買われて、多くの厚生年金基金の運用を主力とし、2011年9月末時点で、124の企業年金から1984億円の資産の運用を受託した。数社の大企業の企業年金も顧客としていた。ところが実際にはケイマン籍の子会社が投資している投資先「監査法人の監査対象外」を同社がコントロールできるようになっていた。

そのため運用損失が出ているのに実態とは、かけ離れた基準価額を報告できた。このため監査法人は不正を見破れず、大半の資金は運用損失として市場に消えたと。2009年の「年金情報」の記事以降も新規契約を受けていた。顧客に対し設定来で240%の運用利回りを確保していると説明したが、2012年1月下旬の証券取引等監視委員会の検査により、運用資産の大部分が消失していることが明らかとなった。

金融庁は行政処分勧告を待たず、2012年2月24日付でAIJに1か月の業務停止命令を出し、子会社であるITM証券に同年3月23日付で6か月の業務停止命令を出した。2012年6月19日、警視庁捜査第二課は、虚偽の運用実績を示して2つの年金基金から約70億円をだまし取ったとして、詐欺容疑で浅川、西村、高橋、ITM証券役員、小菅康一の計4人を逮捕した。

 その時、関根さんは野村證券の東京の投資部長だったが、この事件をきっかけに、資産は十分に出来たからと言い、浅川氏の逮捕のニュースを聞き、今年いっぱいで退職すると決めたと北川天一に連絡してきた。そこで6月下旬、横浜中華街の高級中華料理屋の2階の個室で面会して、関根先輩の証券会社での35年間の仕事、苦労話をじっと聞いた。すると、奥さんが2年前、ガンで亡くして、1人ぼっちになったと言った。退職したら、海が見えるみなとみらいの高層マンションの小さい部屋に住みたいと話した。ちょうど、みなとみらいの2LDKのマンションが8000万円で売りが出ていたので、交渉してみると言い、そこを買ったら、遊びに来てくれと言われ、了解しましたと答えた。

 一方、村田製作所の株価に注目していた、初男は、2012年7月26日に、祖母の北川米子に500万円、貸して欲しいと言い、一緒に銀行に着いていき、自分の投資口座に振り込んでもらった。そして、2012年8月1日、朝、3610円の気配値が出ているのを見て、100株、成り行き出1300株買いを入れると3610円で469万円で買えた。投資残金が114万円となった。
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