第31話:留学最後の小旅行とパーティー

文字数 2,743文字

 同じクラスの留学生も初男と同じ様に、土日の休みに、アメリカの有名な都市を訪問していた。行き先は、シカゴ、ニューヨーク、ボストン、ワシントン、ナッシュビルへ行き、名所巡で、有名な観光地を回った見たり、アメリカ音楽を知る旅に出た人達もいた。その他、同じクラスのシンディは女性達だけで、赤毛のアンの故郷、プリンスエドワード島に行って、アンのゆかりの場所巡りに出かけた様だ。

 そのため旅行の話が多く、あまり参考にならなかった。しかし、赤毛のアンの故郷、プリンスエドワード島の話は、興味深かった。旅行中に取った多くの写真をパソコンを使って、大型ディスプレイに映し出しながら話を始めた。プリンスエドワード島に到着し、まず目に飛び込んでくるのは鮮やかな赤い大地。鉄分を多く含み、酸化し、赤く見える土と、草木の緑や空の青が織りなすコントラストはプリンスエドワード島ならではの風景。

『赤毛のアン』ゆかりの地を巡る旅は、キャベンディッシュからスタートしました。物語に登場する「グリーンゲイブルズハウス」を再現した家に入ったり、「恋人の小径」や「お化けの森」のモチーフとなった林道をハイキングしたり、アンの世界に迷い込んだ気分が味わえた。続いて訪れるのはグリーンゲイブルズ博物館。ここには赤毛のアンの作者モンゴメリが生前使用していた物などが展示されている。

さらに、物語に度々登場するマシューの馬車も体験してきました。さらに、モンゴメリの生家へ入ることもできた。可愛らしい家の中にはモンゴメリが生まれた当時の家具などが展示されており、実際に彼女が生まれた部屋も見ることができ、興奮しました。そして、モンゴメリのお墓参りにも行きました。そのお墓は日、緑豊かで明るい印象があります。

また、ギフトショップにはアンのグッズが数多く売られており、アンのファンのみならず乙女心をくすぐるものばかり。州都シャーロットタウンにあるアン・グッズ専門店にはぜひ立ち寄って欲しいと思います。そして、アンのコスチュームを着て記念撮影できるお店なんかもあるのですよと目を輝かした。さらに、シャーロットタウンでは夏季限定で『赤毛のアン』のミュージカルが上演されてます。

ミュージカルを見た、その後、お腹が空いてきたのでレストランに入りました。ここプリンスエドワード島の名物は何と言ってもシーフード。中でもロブスターやムール貝を溶かしバターに付けていただくのがとても人気で、もちろん、美味しかった。特に、大きなロブスターは迫力満点で見た目も味も最高。また、プリンスエドワード島はじゃがいもの産地としても有名で、料理にはかなわず、ついてきます。

 それに、カナダで最も美味しいアイスクリームに選ばれた「COWS」はプリンスエドワード島発祥。焼き立てのコーンがほんのり温かく、とっても美味しかった。翌日は、朝6時に出発して、橋で繋がっている、お隣の島、ノバスコシア州にも車で3時間以上かけて行った。

 ノバスコシア州のルーネンバーグはかつて漁村として栄えた町で、市街が世界遺産に登録されれいる。そこでの一番の見所は色とりどりに塗られた家々です。これは余った船の塗料で家を塗った名残なんだとか説明してました。それにしても、いろんな色に塗られた家が海辺に映えて、素晴らしい景色で、多くの写真を撮って来たと

 留学生達が、1人ずつ、留学の印象と成果、今後の自分の生き方、旅行を通じてカナダについて感じた事を話、終了後、パーティーをして、4週間の留学が終了する。男性の留学生の話は、自分の話と、それ程、変わることがなく、参考にならなかった。むしろ3人の女性の話が面白かった。1人は、ルーマニアから来た娘で、最初のカナダの印象は、飛行機から見ても、大きな所で、感動しました。

 実際にトロントに来て、多くの人種が、住んでいる大都市で、活気があり、華やかさを感じた。また、食べる物が美味しく、特に、シーフードが最高だったと述べた。休日に3人で行ったプリンスエドワード島と、お隣の島の景色には感動させれれた。そして、自然、花もきれいだが、船に使ったペンキを使って、家を塗ったと言う海辺の町の海に映った、きれいな家々の姿がとても感動的だったと話した。

 私もカナダに来て、海辺の格好いい、若い漁師さんと仲良くなって、あのようなきれいな海辺の町で暮らして、美味しい海の幸を食べられる人生を描きましたと恥ずかしそうに語った。そうしたら、カナダの国籍に変えて、ここに永住して、きれいな自然で、我が子を産み、育てたいものですと言うと、留学生仲間から、割れんばかりの拍手が送られた。

 その話が終わると先生が、私も、そうなって欲しいと言って、彼女をハグすると、彼女の目から、涙がこぼれていた。何て、素敵な「さよなら・パーティー」だろうと、初男も感動し、目が潤んだ。その後、皆さん19歳以上ですよねと、確認すると、イエスと答えたので、先生が、それでは、皆さんの、これからの活躍と期待して、乾杯したいと思いますと言い、シャンパンやビールで、乾杯した。

 そうして、トロントでの4週間のカナダ留学が終了した。その後、留学仲間と、別れを惜しんで、メールアドレスなどを交換した。しばらくして、学校を後にして、ホストファミリーの家に帰り、お別れの挨拶した。その後、床についた。翌朝、7時に起きて、朝食をとり、ホストファミリーの両親とハグして別れた。タクシーで8時過ぎにトロント空港に到着し、東京口へ行き搭乗手続きをとった。

 その後、近くカフェで待ち、搭乗開始となったので乗り込んで、飛び立った。その後、70分でモントリオール空港に到着し、1時間強の待ち時間をとった。その後13:45発の成田行きの飛行機に乗り換えた。それから13時間の長いフライトとなり、映画を見たり、うつらうつらして過ごし、食事の時間になると起きて、食べ、疲れて寝てしまった。その後、しばらくして、あと1時間で成田到着とアナウンスが入った。

 飛行機の窓から外を見ていると、陸地が見え、日本に帰ってきたのだという実感がこみ上げてきた。それと同時に、これで、しばらく、長期の海外旅行ができなくなるのだと言う、むなしさも去来した。そんな事を考えていると、着陸態勢に入り、無事、成田空港に到着して、タラップを降りた。

8月31日、16時前になっていた。成田空港からは、新横浜行きの高速バスで新横浜プリンスホテルにつくと、両親が車で迎えに来ていた。家に帰って、家族へのお土産を渡し、夕食後、ノートパソコンに、撮ってきた、カナダとアメリカの多くの写真を店ながら、カナダでの話をした。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み