その7 正体ばれた
文字数 717文字
明けて月曜の朝。緊張を伴うため毎週月曜の朝は早くに教室に着くようにしている。
一番乗りではなかったけれども、教室に人はまばらでがらん、としている。この静寂な感じが、ゆっくりと学校の空気になれるための時間的余裕をくれる。
リュックを机の上に置いてテキストやノートを出していると、背後に気配を感じた。
身構えて振り返ると、三田くんが立っていた。
「長坂さんって、もしかして、’ある女子高生のブログ’を書いてる?」
「はい?」
がーん、という音がするのはこういう時なんだな、ってリアルに感じた。実際には音はきこえなかったけれども、脳のあたりから背中を伝って腰のあたりまで、がくっ、という衝撃が走った。
「ごめん。もし違ってたら申し訳ないけど・・・」
違ってなくても申し訳ないよ!大体、三田くんとわたしが口をきくのって、これが多分初めてだし!
心の中ではわたしは大きい声を出してみたけれども、否定も肯定もせずになんとか納める方法はないかと応対を始める。
「どうして、そんなこと訊くの?」
「いや・・・そのブログに、’純喫茶ポピー’って出てくるけど・・・」
わたしは頷きもせずに三田くんの出方を更に待つ。
「長坂さん、土曜日にその店に入ってったでしょ?」
わたしはまだ反応しない。
「俺、その店でバイトしてるんだけどさ」
「!」
「バイトは平日だから多分会うことが無かっただけだと思うんだけど、そもそも女子高生があの店に来たのなんて見たこと無いし、あの店に入ろうなんていう勇気のある子ってなかなかいないだろうし。土曜日にそこで色々勉強してる、ってブログに書いてあるから、あまりにも状況が重なりまくってるな、って思って」
こんなことって、あるのだろうか。
一番乗りではなかったけれども、教室に人はまばらでがらん、としている。この静寂な感じが、ゆっくりと学校の空気になれるための時間的余裕をくれる。
リュックを机の上に置いてテキストやノートを出していると、背後に気配を感じた。
身構えて振り返ると、三田くんが立っていた。
「長坂さんって、もしかして、’ある女子高生のブログ’を書いてる?」
「はい?」
がーん、という音がするのはこういう時なんだな、ってリアルに感じた。実際には音はきこえなかったけれども、脳のあたりから背中を伝って腰のあたりまで、がくっ、という衝撃が走った。
「ごめん。もし違ってたら申し訳ないけど・・・」
違ってなくても申し訳ないよ!大体、三田くんとわたしが口をきくのって、これが多分初めてだし!
心の中ではわたしは大きい声を出してみたけれども、否定も肯定もせずになんとか納める方法はないかと応対を始める。
「どうして、そんなこと訊くの?」
「いや・・・そのブログに、’純喫茶ポピー’って出てくるけど・・・」
わたしは頷きもせずに三田くんの出方を更に待つ。
「長坂さん、土曜日にその店に入ってったでしょ?」
わたしはまだ反応しない。
「俺、その店でバイトしてるんだけどさ」
「!」
「バイトは平日だから多分会うことが無かっただけだと思うんだけど、そもそも女子高生があの店に来たのなんて見たこと無いし、あの店に入ろうなんていう勇気のある子ってなかなかいないだろうし。土曜日にそこで色々勉強してる、ってブログに書いてあるから、あまりにも状況が重なりまくってるな、って思って」
こんなことって、あるのだろうか。