その8 仲間ができた

文字数 631文字

「うん。そう。わたしが、’ある女子高生のブログ’を書いてる」

 わたしは、あっさりと白状した。

 三田くんは、拍子抜けするわけでもなく、ただ、普通の顔でわたしを見ている。

 ようやく口を開いた。

「そっか。平日は、ポピーに来ないの?」

 わたしは、三田くんに、解説する。

「わたし、平日は家事があるから、無理」

「家事?長坂さんがやってるの?」

「うん」

「お母さんは、仕事?」

「うん。まあ」

「忙しいんだ?」

「・・・忙しいのは、事実だけれども・・・・」

 なぜか、わたしは三田くんに、できる限り本当のことを話そうと、どうしてだか分からないけれどもそんな気分になった。

「母親は、うつ病。父親は他界したから生活のためにやらざるを得ないので母親はパートはしてるけれども、ほぼ、気分がダウンしたまま何年も経ってる。わたしがしないと誰もご飯を作ってくれないから」

「俺は、’純喫茶ポピーの検索から長坂さんのブログにたどり着いたけど・・・ブログのことは黙ってた方がいい?」

 わたしは無言で、こくこくと頷く。

 三田くんは程よい程度の笑顔でわたしと更に話す。

「俺、長坂さんの文章、好きだよ。なんか、いじめの色んな研究をしてるって書いてたけど、全然堅苦しくないよね。なんか、小説みたいだよね」

 うーん、三田くんの感覚って、おもしろいかも。更に続く。

「俺、長坂さんのブログ、読み続けるよ。それから・・・」

 なんだろう。

「もしかしたら俺、土曜もポピーのバイト、入れるかも。そうなったら、よろしくね」


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