その41 いつものふたり

文字数 340文字

 見事なまでに何も変わらなかった。
 会う場所も、話す内容も、行動も。

 三田くんの顔を見ても、今更ときめくこともない。多分、彼も同じだろう。
 もともと一重美人の多部未華子が好みだから、二重不美人のわたしの顔は対象外だろう。

 でも、こんなものかもしれない。

 恋愛そのものを否定はしないけれども、人生の連帯責任者であるパートナー同士がいつまでも、あはは、おほほ、と青春を謳歌してたら世の中破綻するだろう。
 むしろ淡々と地べたに足の着いた生活を送るふたりの方が、”縁”、があるのかもしれない。

 誰かに紹介する時はこう言うだろう。

彼氏です”

 わたしたちなんかはまあ、こんなもんでいいけど、ノネちゃんに彼氏ができた時は盛大に祝ってあげたい。

 彼女の場合はあらゆる意味で劇的なはずだから。
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