その１７　わたしのこと

　三田くんと、”同伴”、でポピーに行くと、「おおっ！？」とマスターがわざとらしくのけぞった。

　23:00までポピーでねばりにねばり、家に帰って来てまずシャワーを浴びた。

　母親はわたしが作ったドライカレーを半分残していた。
　気持ちは分かる。
　完食すると、病気のせいにできなくなるような恐怖感。
　わたしもそうだったから。

　台所のテーブル脇で体育座りをしてテレビをぼんやりと見上げている母親に、おやすみ、と声だけ掛ける。

　自部屋でパジャマのＴシャツに着替えて勉強机に座り、ふっ、と一息。
　ノートPCを、タ、と起動し、ブログにログインする。

”こんばんは。今夜は”no name”さんのコメントにこの本文でもってお答えします。
　
　改めまして、わたしは、”ある女子高生”、15歳です。
　”ある女子中学生”、の時から読んでくださっている方はご存知と思いますが、まず、”no name”さんを初め、多くの方々が知りたい事実から書いちゃいます。

Ｑ１：貴女はいじめられてたの？
Ａ１：はい。いじめられてました。
　　　自殺未遂もやってます。飛び降りです。
　　　以前、池袋のサンシャイン60から飛び降り自殺した人のネット記事を読んだことがありますが、もっと高いです。標高3,015mです。
　　　でも、助かっちゃいました。
Ｑ２：貴女は美人ですか？
Ａ２：いいえ。美人ではありません。
　　　万が一を考えてある人にも確認しましたが、「美人ではないよね」と言われちゃいました。
Ｑ３：貴女は性格がいいですか？
Ａ３：いいえ、悪いです。このブログを読んで下さってれば分かると思います。
Ｑ３：貴女は何でいじめの研究やってるの？
Ａ３：すみません。これはわたしにも分かりません。”no name”さんのコメントを読んで、自問自答を何周か繰り返しました。
　　　”復讐？”　違う。今更。
　　　”自己肯定？”　多分、違う。肯定したいんなら別の特技を探して　　　る。
　　　”世の中を変えたい？”　　多少はある。いじめのない世界を見てみたい気持ちはある。でも本当にそうなったら、そもそもこんなブログ要らない。
　　　”将来の飯のタネ？”　これが一番近いかも。現にわたしは、”いじめの研究”、につながるような学科を受験し、出来得ることなら研究者としての職を得たいと思ってる。でも、周囲の人間が地べたを這うようにしてお金を稼いでいる現実を見ると、虫がいいかな、と感じる。
　　　そもそもわたしの父親はサラリーマン人生で悪戦苦闘してきた結果、過労死したので。
　　　住宅ローンは団信で完済できたし、死亡保険金を取り崩しながら母親と2人で生きてます。”
　　　結局、いじめの研究をやろうという動機がわたし自身はっきりしません。

　”貴女自身救われてるんですか？”
　
　すみません、答えは、”いいえ”、です。
　・・・・ですから、わたしがこのブログで皆さんを救おうなんて、おこがましいことだって思ってます・・・・

　打ち終わり、一読推敲してから投稿した。