ぱっつん少女だな - 1-1
文字数 1,370文字
そんな訳の分からん叫び声が聞こえた気がした刹那、後頭部に強烈な一撃を受け俺は頭から地面に激突し、そのままの勢いで数回転してごみ集積所に突っ込んだ。
なんか、キックとか言ってたから俺、蹴られたのか? 大事な頭部に大きな衝撃を喰らわされて、記憶喪失にでもなったらどうする? アホの子にでもなったらどうする? 封印されし記憶が蘇ったりしたらどうする? 暴力反対!
とか思いながら痛む頭を持ち上げてのろのろと周りを見回す。
そのおかしなカッコの少女は肩甲骨の下あたりまで有る、キューティクルがキュキュッとしている艶やかでサラサラな金髪を春風になびかせながら、オマケに頭頂部に天使の輪っかまで煌めかせながら俺を見つめていた。
記憶には無い顔だが俺はそう思った。
銀色のメタリック基調に赤や黒の部分的なカラーリング。腰や腕に何やらメカっぽいパーツ。ノースリーブで胸元が開いたキラキラとしたレオタードっぽい衣装。
こんな真っ昼間の往来でいくら人通りが無いとはいえ、自分のような純真無垢な少年に対して劣情を催させるような姿を魅せ付けるとは、実にけしからん! ホントにけしからんっ! もーけしからんっ、もーたまらんっ! あーたまらんっ。
俺は目前の少女による突然で理不尽な暴力に対して猛抗議をしようと身構えた。
無論、第二撃を警戒しつつだ。が、俺が口を開こうとするよりも一瞬早く、少女が俺に向かってかわいい声で言葉を発した。
などと脳内がぐーるぐる回りながらも考えていると、金ぱっつんで胸ぱっつんなこの少女はちょい厚めなスマホっぽい装置を俺に向けながら呟いた。