ぱっつん少女だな - 1-1

文字数 1,370文字

ギャラクティカ・ウルトラ・スーパー・ダイナマイト・ディメンション・キイイイック!」
そんな訳の分からん叫び声が聞こえた気がした刹那(せつな)、後頭部に強烈な一撃を受け俺は頭から地面に激突し、そのままの勢いで数回転してごみ集積所突っ込んだ

ふふっ見事なキックだぜ。とか頭の中で思ったかどうかの記憶は定かではない。

頭痛いごみ臭い

なんか、キックとか言ってたから俺、られたのか? 大事な頭部に大きな衝撃を喰らわされて、記憶喪失にでもなったらどうする? アホの子にでもなったらどうする? 封印されし記憶が蘇ったりしたらどうする? 暴力反対!
とか思いながら痛む頭を持ち上げてのろのろと周りを見回す。

目の前におかしなカッコの少女が立っている。いわゆるコスプレと言うヤツだ。

うむ、嫌いではない。むしろ好物、いや大好物いいや超好物だ!

そのおかしなカッコの少女は肩甲骨の下あたりまで有る、キューティクルがキュキュッとしている艶やかでサラサラな金髪を春風になびかせながら、オマケに頭頂部に天使の輪っかまで(きら)めかせながら俺を見つめていた。

あ、アイドルが居る。それもグループではなく単品で売り出されるべきアイドルが。

記憶には無い顔だが俺はそうった。
そして宇宙戦艦にでも乗っているんですか? と()いたくなるようなおかしなカッコ。
銀色のメタリック基調にの部分的なカラーリング。腰や腕に何やらメカっぽいパーツ。ノースリーブで胸元が開いたキラキラとしたレオタードっぽい衣装。
その衣装は、出るべき所は出っ張って、引っ込むべき所は引っ込んだ、まるでどこぞのラドルですくわぁっ! って叫びたくなるような豊満(ほうまん)姿態(したい)を包み込んでいた。
特に胸部あたりが、ぱっつんぱっつん(こぼ)れ落ちそうである
こんな真っ昼間の往来でいくら人通りが無いとはいえ、自分のような純真無垢(じゅんしんむく)な少年に対して劣情(もよお)させるような姿を()せ付けるとは、実にけしからん! ホントにけしからんっ! もーけしからんっ、もーたまらんっ! あーたまらんっ。
眼福(がんぷく)でございますっ。おありがとうござりまするううっ!!
…………あ、違う。られた。これは、怒る、べき
俺は目前の少女による突然で理不尽な暴力に対して猛抗議をしようと身構えた。
俺への謝罪として少女の胸部あたりにセクハラまがいの行為をする権利を主張し、断固とした態度で要求を突きつけるつもりだ。もちろんそれは許されるべき当然の要求のはずである。

無論、第二撃を警戒しつつだ。が、俺が口を開こうとするよりも一瞬早く、少女が俺に向かってかわいい声で言葉を発した。

         「どう?」
ん? 『どう?』とは何か? 
頭を()ったけど、痛いですか?』か? ああ痛いよ
それとも『このコスプレどう思いますか?』か? ああ抜群(ばつぐん)似合ってるよ
んー、ちょっと意味不明。もしや頭部強打のせいで俺は言語が理解出来なくなってしまったのか? 怖い……。
などと脳内がぐーるぐる回りながらも考えていると、金ぱっつん胸ぱっつんなこの少女はちょい厚めなスマホっぽい装置を俺に向けながら(つぶや)いた。
おかしいなー。今のキック解除出来たはずなのに。
解除? 解除って
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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