プッツン少女かよ - 11-1

文字数 1,088文字

更に激しさを加えたササラの攻撃により、バリア内に飛び交うスパークの量が増え始め、ついには頭頂部に亀裂が入った。
どうやらこのバリアは限界を超えると消滅して消えるタイプではなく、限界を超えると割れ消えるタイプのようだ。
亀裂が入ってもしばらくバリアは持ちこたえていたが、もう限界なのか、ドーム状のバリアの頭頂部から地面に向かって、一気に四方八方へ稲妻のような何十本もの亀裂が入った。

するとササラは攻撃の手を止め、ゆっくりと身体の前に両手を持ってくる。

まるでバットを握るようなポーズだ。

をする
ササラの両手から黄金色に輝く(まぶ)しい光が放出された。その光は握りの部分以降が極端に太くなった、電柱の五倍ぐらいの太さの光り輝く長い棒状の物を形成する。
っ、た!
コイツ、バリアに頭頂部からスイカ模様みたいな亀裂が入ったのを見て、スイカ割りをするつもり!!
ササラはの棒を一気に頭上まで振り上げた。
それはスイカ割りの正式なルール違反しているっ!!
目隠しをして右回り五回転プラス三分の二回転しなけりゃならないんだ
、でもササラの場合、誘導員がいないから仕方がないかな
うっ
仕方がないとかじゃない!!
ヤメロ バリアすな!!!!!
光の棒が凄まじい勢いで振りろされた!
耳をつんざく途轍(とてつ)もない大音響と激しい火花。四方に飛び散りのたうつ稲妻のような太く眩しい
粉々に割れて砕けた微細なバリアの欠片(かけら)が辺り一面に舞い踊り降り注ぎ、キラキラと輝きながら消滅していく。
鉄壁誇るはずの時空間断絶バリアは、莫大(ばくだい)魔力量を持つササラの激しい攻撃により、完全破壊されてしまった。
その時突然俺の身体が空中に浮かび上がる。
っ、
俺は思わず手足バタバタさせてみるが、
そうだ!
これは巨大ロボからの牽引ビーム
づく。
よしっ! これでササラから離れられるっ
んだのも(つか)()、次の瞬間に俺はからズドンと地面にとされた。
そしてそのままズリズリ引きずられていく。
ってーよコラ ズボンが擦り切れるっ! 尻も擦り切れる!!
くっそ、こいつはズタボロロボの出力が安定していないせいなのかっ!?
……。
ササラが俺をジロリんでる。
あ~、ササラちゃんや、この場は見逃してくれちゃったりとかしちゃったりしない
ササラ怖い顔でに向かって右手上げかけ、開きかけた。
――。
うっ、こわ
その瞬間、ミリアの装甲戦闘服が俺とササラを(へだ)てるように、土煙を上げてササラの目の前に滑り込んだ。
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登場人物紹介

ミリアリア・タエコ・ルラララ

銀河連邦警察、地球駐在所勤務、警察官見習い。15歳。

日本人の母と宇宙人の父の間に生まれ、幼い頃に父の転勤で地球から外惑星に旅立つ。

ササラ・サラザリ・マーリン

大魔法使いアングリーズ・マーリンの最後の孫にして最後の弟子。

自称千年に一人の大天才魔法使い。異世界人。11歳。

罰野 場継(ばつの ばつ)』

自称オタクじゃない、一見平凡そうに見えるが、その実本当に平凡な一介の高校一年生。(なのか?)15歳。

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