ぱっつん少女だな - 2-2
文字数 1,478文字
その強化装甲がなんで俺の体の中に有ると彼女が思ったのかというと、俺がコミックスを買いに立ち寄った書店で偶然彼女も本日発売の『ディバイダ・ガール』の新刊を買いに来ていて、何もない所で躓いてよろけた拍子に俺にぶつかったんだそうだ。ドジっ娘属性って事か?
ぶつかって超至近距離だった為か探知機が反応し、解析結果で間違いなく失踪した強化装甲だと断定。人通りのない場所まで尾行した後に人間と融合していた場合のマニュアルに沿ってあのギャラクティカなんちゃらキックを俺の後頭部にお見舞いしてくれたという事らしい。
あれ? でもちょっと変だな。確かに本屋で女の子にぶつかられた記憶はある。めっさ柔らかい物体が二つ、ポヨヨヨヨーーンて感じで俺の背中に押し付けられた感触は今でもハッキリと覚えている。死ぬまで忘れることはない。
彼女の荒唐無稽なSF風宇宙物語的な説明は一応一通り聞き終わった。
これは何だろう。俺が今までに読んだマンガや小説、観たアニメや特撮にもこんなような似た感じの話は有ったと言えば有った。ドンピシャなのは思いつかないが。
ひょっとしてこの少女はマンガ、若しくは小説なんかの創作活動を行っている可能性も否定できない。今ならばSF宇宙物より異世界転生物を書いた方がウケそうだからそっちのほうが良いのではないかと忠告してあげるのが親切というものかもしれない。
ただ、俺が本屋からこの路地まで歩いて来た短時間の内に着替えられるものなのだろうか? バッグ等に入れて持ち歩いているか、セーラー服の下にすでに着ていた。若しくは自宅がこの近辺に有り、速攻で着替えて来た。とかか。